裏木戸通信 143号
横浜新名物??
横浜の川にアザラシのタマちゃんが現れてからだいぶたつ。
住民票が交付されたり、歌が出来たり、ファンクラブが出来たり、日本中?で、大騒ぎで、最早、トップアイドルである。
個人的にあの手の物は好きではないし、あの手の物で騒ぐ趣味は無いので、特に関心も無くタマちゃん関係のニュースは見ていた。と言うよりも、正直言えば
たかだかアザラシ1頭に
と、どちらかと言えば、冷めた目で見ていた、と言った方がいい。
そんなこんななアザラシのタマちゃんが、先週、再び話題をさらった。
タマちゃんを救出し、然るべき処置をした後、故郷に戻そうと言う運動をしている団体、「タマちゃんのことを想う会」が、タマちゃんを早朝捕獲(彼等流にいうのなら「保護」)しようとして、ニュースにもなり、議論にもなった。
個人的には、
ほおって置けばいい。
と想うのだが、そこは、国民のアイドルになってしまった、因果なアザラシの宿命、アレヤコレヤと騒がれ、マスコミは再び、カメラをもってタマちゃんを追いかけ始めた。
あのアザラシがどんな状況横浜くんだりまでして、アイドルになったのか、私は詳しい事情は、知らない。ただ、何と言うのかマスコミを含めてほおって置けばいいと思う。
「しばらく静観」も、「保護して故郷へ」も、どちらも人間のエゴである(もちろん私のほおておけも人間のエゴでは在るが)。
ただ、あの手の動物保護や、迷い動物のニュースを見るたびに、個人的にうんざりする物を感じずには居られない。
個人的な偏見かもしれないが、あの手の保護運動を見るたびに、ウンザリ、グッタリ、ゲンナリ、ガッカリである。
いわゆる、あの手の団体が、保護しようとする生き物は、何と言うのか、いわゆる
人間受け
する、生き物の方が圧倒的に多いような気がする。
港湾内に迷い込んだ鯨の保護とか、浜に打ち上げられたイルカの保護とか。その運動や、それを行っている人たちのことは、度々ニュースになる。100%人間の責任で、そうなったのであったら、そりゃ、保護をする必要はあるし、保護するべきかもしれない。が、あの手の殆どが、いわば自然の成り行きでああいう状況に成っている。あの手の保護意識が高まる以前なら、案外そのままほおって置かれたのかもしれない。
見殺しにしろと言う訳でもないが、行き過ぎた保護をする位なら、保護をせず、そのままほおって置いた方が、彼らの好きな「自然の法則」に従っている様な気がする。
まあ、あの手の団体、運動に対して、嫌悪感に近い物を感じている性格なので、純粋に、善意でやっている団体に対しても、色眼鏡を掛けて見てしまい、何でもかんでも悪く取ってしまう所があるかもしれないが、一連のタマちゃん騒動を見ていると、やはり、
なんだかな〜
と思ってしまう。
タマちゃんがどんな理由で横浜に来たのかは、私は知らないが、少なくとも、現在の所、人間様が、そこに捨てたわけではなさそうである。人間が、ペットなり、なんなりで、飼っていたりした物を、何らかの理由で、あそこに捨てたと言うのであれば、タマちゃんを元居た所に戻すべきだとは思うが、人間が捨てたとか、その様な理由で無い限り、文字通り、そのままほおって置けばいいと思う。
それで、タマちゃんに何かが起こっても、それはそれで、自然の行為だと私は思う。