裏木戸通信 １５０号
ヒーローの孤独
とうとうネタに詰まって、他サイトのパクリ以外の何者でもない、ネタを持ってきてしまった・・・・・・
さて、アンパンマン。私は、世代ではないので、余り思い入れは無いが、
愛と、勇気
だけしか友達がいない、実は、孤独なヒーローである事は、他のサイトでも良く突っ込まれている。
そう、アレだけ、多彩なキャラと、あれだけホノボノとした展開を毎回見せているにもかかわらず、アンパンマンは実は孤独極まるヒーローだったのである。多くの仲間に囲まれ、日々、正義の為に明るく楽しく生きている様に思えた、アンパンマンは、笑顔の中に、孤独を隠したヒーローだったのだ。
いいのか？子供向け番組で、そんな孤独な奴を、ヒーローにして。いいのか？子供向け番組で、孤独である事を、声高に歌い上げて？
これらの事も、他サイトなどで突っ込まれてきた事である。そう、誰もが疑問に思わざるおえまい、あの歌を聴けば。
が、よくよく考えて見れば、実はアンパンマンは、実に正しいヒーローなのである。
思い出してみればいい。かつての正義のヒーローたちを。
仮面ライダー、ウルトラマン、キカイダー、etc,etc。の60〜70年代に活躍した、正義のヒーロー達を。
勝手にショッカーに改造されたが、心だけが改造されなかったが為に、仮面ライダーとして、一人、ショッカーと戦う、本郷猛。ボロボロに成りながらも、地球にとどまり、時には地球人のエゴの被害者を涙をこらえて倒した事もあったが、宇宙人ゆえ、それを誰にも打ち明けられなかった、ウルトラセブン＝モロボシダン。
そう、かつてのヒーローは、皆孤独の影を引きずっていたのである。
彼らにも、「仲間」は、居たかも知れない。ウルトラマンなら、科学特捜隊、セブンなら、ウルトラ警備隊、等がそれであろう。が、彼らは、あくまでも、「仲間」である。
そう、ヒーローゆえの悩み、苦しみ、葛藤、恐怖、その他、諸々、正義と、平和のために戦う物だけが持つであろう、諸々の物を共有し、それを打ち明け、支えとなってくれる「友達」ではないのである。
本来正義の味方とは孤独な物だったのである。孤独こそヒーローの正しい姿だったのである。その、孤独に悩み、苦しみながらも、その悩みを決して他人には話さず、その苦しさを、他人にぶちまけず、全てを、己が中に閉じ込め、自らを犠牲にして戦ったからこそ、ヒーロー達は、子供達に、支持されるのである。
アンパンマンを考えてみるといい。
「僕の頭を食べるかい？」
と、弱った市民に語り掛ける。にこやかに、笑顔を絶やさず
いくら、正義のため、平和のため、弱者のためとはいえ、自分の体の一部を、文字通り、差し出すのである。そう、文字通り、体を張って、弱者のために、尽くしているのである。
この苦しみを判ってやれる奴があの番組内に他にいるのか？
ジャムおじさん達は絶望的である。
あの人たちは、パン職人。そう、人に食べさせる為に、パンを作っているのである。アンパンマンが頭を食べさせ、それで弱者が救われればパン職人としては、むしろ、本望であり、栄誉であるかもしれない。アンパンマンにとっては体の一部ではあるかもしれないが、彼らにとっては、パンはパン。彼らにとってのパンとは、食べられて何ぼの物なのである。
では、他の仲間達は？
食パンマン、カレーパンマン、その他諸々、食い物を頭にいただいた仲間は数多く出てくる。が、彼らが、その頭を、弱者の為に差し出した事は、ほとんど、皆無といっていいほど無い。
そう、仲間達は、アンパンマンほど、根性が座ってはいないのである。ある程度はやるが、体を張るほどの、ガッツも、度胸も、信念も、勇気も無いのである。
（多分、ほとんど見た事が無いので、案外食わせているのかも知れないが、見た範囲内では、なかった物で）
こんな奴らに、体を張って戦うアンパンマンの苦悩などを理解できると思うのか？
案外アンパンマンも心の中では
「たく、頭がアンパンでなかったらこんな事まではしなくてもいいのによ」
とか、
「何で、毎回毎回、頭食われなければならないんだボケェグワァァァァァ」
とか
「たまにはお前らも頭食われて見やがれ根性なしが（ペッ）」
なんて思っているかもしれない。
が、アンパンマンは、決してそれを表には出さない。
あくまで笑顔で、明るさを失わずに戦っている。ヒーローゆえに、持つであろう、全ての悩み、苦しみ、葛藤、etc,etc、を、己が中に封じ込め、明るく振舞っているのである。
健気だぞアンパンマン（涙）
そう、実はアンパンマンこそ60〜70年代のヒーローの衣鉢を継ぐ、正しきヒーローなのである。
だから良いじゃん、歌で、その不満ぶちまけたって、そうじゃないと、アンパンマンだってストレスで、潰れちゃうよ。たぶん・・・・・・・・・・・