裏木戸通信 165号
何だか冷たい今年の夏
夏休みになってからも、実に夏らしからぬ天気が続く。
暫く、夏らしい、暑い夏になったと思った矢先、再び、梅雨に、逆戻りしたかのような天気になってしまった。
原発問題で、電気が足りない、節電、節電、節電んんんんんんん、と、必死にアピールしていた東電としては、ある意味、涼しくって、冷房要らずの今年の夏は、有り難い自体だったのかもしれない。 私だって、電気代が浮いて大助かり。
そう、神様が、電気が足りない、関東地方と、私の経済状態を見るに見かねて、冷夏にしてくれたんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
などということは、勿論無いが、兎に角今年はぶっちぎりの冷夏である。
海水浴客を見込んだ海辺の商売は、軒並み商売上がったり。まあ、こんな寒い夏に、海で泳ごうと言う物好きはいないわな。ちなみに近所のプールも、天候の関係で、営業中止になっている日が多いようである。 その他、ビアガーデン等も、閑古鳥なんだそうだ。 逆に、映画館などの身近なレジャーは盛況だと言う事だ。
今年の夏は、海で彼女と暑い夏とか、とか目論んでいたカップルにはご愁傷様としか言いようが無い自体であるが、まあ、たまには、私のように、冷めた夏を過ごして見るのも、また一興。
等と病んだ事をほざいてみても、暑い夏が戻ってくるかは疑問だし、これから、暑い夏が蘇っても、既に夏休みは後半戦に突入している事となってしまう。
が、冷夏はどうやら日本だけのようである。
逆に、ヨーロッパ諸国は、例年に無い猛暑に苦しんでいると言う。ドナウ川の水位は三十センチ以上下がったし、何でもフランスでは、余りの暑さに既に100人以上が死亡しているとか。
日本の冷夏も、この全世界規模の、異常気象の一環なのだそうだ。
勿論、正常な夏の方が、全てにおいて良いに決まっているが、冷夏と猛暑、今年の日本にとってはどちらが良かったのだろうか?
もし、猛暑だったら、案外、先日のニューヨークのような、大停電となっていたかも知れない。
これはこれで、考えただけでぞっとする。
まあ、節電すれば避けられたかもしれないが、「私一人ぐらい・・・」とか考えるのも人間の性、猛暑に負けて、エアコン付けまくりの、電気使いまくりで、東京大停電とか言う、洒落ですまない事態になっていたかもしれない。
が、冷夏のお陰で、電気の使用量は、予想よりは少なく、最悪の事態は、どうやら避けられそうな感じである。
やっぱり今年に限って言えば、冷夏の方が良かったのか?
いや、良かったんだよ、うん、色々衝動買いした今年の夏、冷夏で、冷房要らずで、電気代も浮いて万々歳。
等と、個人の事情で舞い上がっていられないのが、天候の恐ろしさである。
やっぱり、ある程度、夏は暑くなってくれなければ、経済だって上手く動かないし、大体、人間様の基本行動、本能に根ざした大切な活動の一つ、食べると言う行為を支えてくれる、食糧生産に大打撃を与える事となってしまう。
夏野菜は既に値上がりしているし、米の不作も心配されている。
食い物の値段が上がったら、恐らく浮いた電気代なぞあっという間に食いつぶしてしまうであろう。
これはこれで、大いに困る事である。
大体農家の皆様にとっては、文字通り死活問題である。
もし今年が猛暑だったら?
専門家ではないので、偉そうな事はいえないが、あれだけ梅雨が続いたのだから、猛暑の方が、まだ、農作物は正常に育ったのではなかろうか?
もし、猛暑の方が、農作物の育成には良かったのなら、首都圏大停電が、一、二回起ころうが、全体的に見れば、猛暑の方が良かったのかもしれない。
そうだよ、やっぱり、農作物の事とか、日本全体のことを考えれば、冷夏より、猛暑のほうが良かったんだよ。夏が暑ければ、海に人が集まり、それにより、経済波及効果が生まれるし、エアコン、アイス、清涼飲料、ビール、etcetc。色んな物が売れまくって、不況に苦しむ日本に、ほんのちょっぴりだが、刺激を与えるかもしれない。
エアコンつけっぱなしの、電気消費しまくりで、大停電に成ったって、それはそれで、滅多に見られない一大スペクタクル。一生の思い出になるかもしれないじゃないか。
そうだ、やっぱり、同じ異常気象なら、冷夏より、猛暑!!
等と馬鹿な妄想を膨らませてみても、やっぱり相手は天候、人間様の力ではどうしようもない。
残り少なくなってきた夏。これから先の天候が、日本のため、農家の皆様のため、そして何よりも私の財布の為に、正常になって、農作物への影響が、少しでも少なくなる事を祈るばかりである。