裏木戸通信 １６６号
怒るなよ冗談なんだから
フジテレビの自称バライエティ番組、「水10！ワンナイＲ＆Ｒ」で放送されたコントが問題になっている。
何でも、「ウォシュレット」ならぬ、「王シュレット」とか言う、オヤジギャグにも劣る、寒いギャグを咬ます為に、王監督の顔を便器の中に沈め、その口から出る水で、あそこを洗浄すると言う、企画した人間と、製作した人間の、常識と、良心と、倫理観を疑いたくなるような、コントを放送したそうだ。
当然ダイエー側はフジテレビに抗議。
これを受けて、先日の番組内で、謝罪が行なわれた。
これは、野次馬根性で私も見たが、冒頭の15秒間、番組スタッフや、製作者、タレントではなく、アナウンサーが、「不快の念を与えた事を、深くお詫び申し上げます。」とか言うありきたりのお詫びの言葉を言っただけだった。
これには、怒りを通り越して唖然とした。
人の顔を便器に沈めて、しかもその口から出る水で、人のケツを洗わせる、とか言う、人倫にも劣る事をしておきながら、その当事者等は表に出ず、アナウンサーが、在り来たりの謝罪の弁を述べるだけとは。呆れて物も言えない、と言ったところか。
バライエティ番組は、好きでも嫌いでもない。
と言うか、好きな番組と、嫌いな番組がハッキリしている。
もう終わったが、電波や、この手の番組など、最低限守らなければならない常識や、モラルすら守れず、しかも、それを、「お笑いだから」、「バライエティだから」、で済まそうとしたり、モラルすら守らないことを、「お笑い」や、「バライエティ」とか思い込んでいる、自称バライエティー番組は、大嫌いであるし、見る気すらしない。
個人的な意見だが、こんな番組を笑って見られる人間の気が知れない。あの手の番組の何処が面白いんだ一体？
更に困った事に、「バライエティーなんだから」、「お笑いなんだから」等と言って、この手の行為を弁護する人達もいる。個人の主義主張は勝手では有るが、最近のバライエティ番組はどんな過激な事、モラルの無い行為をしても、この手の事を唱えて、弁護する輩が居て、結局、「バライエティ何だから」といって、議論が沈静化すれば、うやむやに出来る 。と言った感じの事を承知の上でやっているような、あざとさと言うのか、嫌らしさを個人的には感じる。
たかがバライエティーかもしれないが、されどバライエティ。
どのような理由があれ、やってはいけない事は有る筈だ。
笑いと言うものには、人を貶める要素も有るし、笑いの分野として、それらの要素を含む物は有るかもしれない。風刺等も、ある意味、人を貶めている部分があるかもしれない。だが、やっぱり、そこには限界があると思うし、越えてはいけない一線があるはずだ。まあ、人の顔を便器に沈めるなんていうのは、風刺にも、何にもなってはいないが・・・・・・・・
イジメの問題でもたまに聞く。
苛めている当人は、「軽い冗談のつもりだった」、とか、「ちょっとからかっただけ」というが、それをやられた当人は、苛められたと感じる。
確かに、中には誰から見ても、「冗談」、「からかっている」だけの行為にむきになる人もいるが、苛めの場合、殆どの場合は、やっている本人は、冗談、からかったつもりでも、その行為自体が、その範疇に収まらない物であったり、苛めている自覚があるのに、「冗談のつもりだった」、「からかっただけ」と言い逃れるだけ だったりする。
自覚が無いのも、自覚が有るのも、両方困った物だが、下らない、倫理観の欠如した、自称バライエティ番組が、この手の精神、考えの、育成に役立ってしまっているのなら、これはこれで問題だとおもう。
やってはいけない冗談、言ってはいけない冗談、と言うか、やってはいけない事、いってはいけない事の、レベルや、内容は、時代や、場所によって、色々変わるとは言え、それらの物の変わる事の無い、最低限のラインと言う物は存在すると思うし、万が一それを超えた行為や発言をした場合は、故意であろうが無かろうが、心からの謝罪が有ってしかるべきだし、場合によっては、しかるべき、制裁や、懲罰があって当然だと思う。
言論や、報道、表現は、当然、法等で縛られるべきではないが、それに携わる側は、自分たちの立場と、持つ力を しっかりと自覚して、越えてはいけない先をしっかりと見極め、それを超えない事に細心の注意を払ってほしい物なのだが・・・・・・・・・・・。
今回の事件を良い教訓に、出来れば、番組の倫理、報道の倫理と言う物を、今一度、しっかりと、見直して欲しい物である。
いないとは思うが、越えてはいけない、最低限のラインを超える事を、「限界への挑戦」とか、「タブーへの挑戦」とか思っている、製作者や、タレントがいたら・・・・・・・・・・・・・・・・
首くくって死んでください。