裏木戸通信 195号

 

 

やって来い来い新幹線・ツバイ

 

先日、3月13日、九州新幹線が部分開業した。

 

新八千代〜鹿児島中央間127キロが開通した。が、今回開通したのは、この区間のみ。博多までの全線開通は、あと10年ほど待たなければならないと言う状態である。あと10年ほどの間は、九州新幹線は、他のどの新幹線とも接続されていない、妙に中途半端な状態のまま走り続けることと成る。

が、それでも新幹線の効果はすさまじく、博多〜鹿児島間は、最短で1時間40分も短くなり、2時間10分と成る。出張に、旅行に、その他諸々、色んな場面で、人の移動の役に立ち、九州新幹線は九州の地域経済に貢献。

日本の鉄道技術の結晶新幹線はやっぱり素晴らしかった

が、その影で、ここ最近の新幹線開業のお約束、

 

 

並行在来線の切り離しが行われた

 

 

切り離され、第三セクターになったことで、運賃は1.3倍に値上がりしたんだそうだ。これに影響を受けるのが、地元に住む、所謂交通弱者と言う人たちである。

更に、これまた、ここ最近の新幹線開業のお約束事項、

 

 

 

地元負担

 

 

 

もあったりする。ちなみに熊本県の財政負担は

 

 

 

六千九百五十億円

 

 

 

一人当たりの負担金は37万円にも上る。そう、最新の重重3Dゲームがさくさく動く、最新PCが県民一人一人に行き渡るだけのお金が掛かってしまうのである。

 

 

更に、一部住民からは、騒音問題も出ているという

 

 

 

これは、テレビでも見たが、普通の民家の玄関の目の前に、新幹線の橋脚が聳え立っている様は、何と言うのか、ある意味、サイバーパンクの映画を見ている様であり、異様と言っていい光景であった。

 

「われわれの建設用地は橋げたの両側二十センチまで。後のことは県や市の事業だ」

 

と此方も、県や市等の、地方に責任と負担を押し付けよとしているのか、この記事や、以前のテレビ報道を見ている限りでは、作る側には、新幹線が出来ることで、騒音等、色々迷惑を蒙る住人に対する、誠意は見られない気がする。

 

 

東北・上越新幹線建設では、東京都内や埼玉県では新幹線と人家の間に二十メートル幅の緩衝地帯を設けた。その公害対策が九州では後退した。(記事より)

 

 

この環境アセスメントだの、ISOだの、エコロジーなど、この手の問題が、東北上越新幹線が作られた時代よりもはるかにうるさくなったこの時代に、これはまずいでしょう。

で、こういう記事を見るたびにやっぱり思ってしまう。うん、一年一寸前、東北新幹線が延長したときにも書いたあの疑問だ

 

 

 

そこまでして、新幹線欲しいの?

 

 

 

 

ただでさえ、不況で、国も、地方も、一般家庭も、財政的にアップアップなこの時代に、莫大な費用を掛け、沢山の借金をして、県民一人当たりに相当な財政負担を掛けて、更に、一部住人には、騒音公害とかの、負担まで掛けて、それでもまだやっぱり、新幹線が欲しいの?

これで、新幹線の及ぼす経済効果で、九州の地域経済が活性化し、それで、地方自治体等の財源が潤うのなら、言う事は無いが、何と言うのか、新幹線一本開通したからと言って、それで、九州の地域経済が、それほど活性化するとは思えない。そりゃ、それなりの効果はあるが、負担に見合うだけの効果が本当にあるかどうか・・・・・・・・・・・・・・・

この先は、関東に住む人間のエゴ、田舎とは言え、東京に日帰りできるところに住んでいる人間のエゴも出た言い分になるが、やっぱり、こっちから、九州に行くのなら、飛行機を使うと思う。そりゃ、飛行機は、本数が限られているから、福岡に降り立った後九州内は、新幹線で移動。とか言う事には成るかも知れないが、新幹線が出来たから、新幹線が開業したから、と言って、果たして、九州以外の地から、どれほどの人が、九州へ、仕事に、観光に、その他の目的で向かうことに成るだろうか?

 

 

 

私は余り変わらないと思う。

 

 

 

そりゃ、九州域内の、人の移動は、スムーズになるとは思うが、それが及ぼす経済効果は、たかが知れているような気がする。九州域外からも、九州新幹線が開業した事により、人や物が来るように成っての、初めての活性化ではないだろうか?

まあ、私は、九州に知り合いもいないし、取りあえず、九州と深く関わる生活も余りしていないので、九州の人が、どれほど財政負担に喘ごうが、関係無いと言えば関係ないし、どれほど借金を背負っても、新幹線が通って幸せなら、それはそれで、とやかく言う筋合いは、無いのかもしれない。

 

 

九州新幹線の総事業費は1兆円以上。

 

 

この費用の一部は、国の税金からまかなわれる。地方と、都市部の格差をなくすのは大切だし、過疎の地域や、不便な地域の交通事情や、住環境を整えるために、国の税金を使うのに反対はない。地方が、採算が取れないと言う理由だけで、切り捨てて、不便なままで頬って置いたら、ただでさえ問題になっている、都市部、関東圏への一極集中がますます激しくなるだろうしね。

でも、我々の払っている税金を使うのである、同じ金掛けるんだったら、本当に、効果のある所に、その税金を投入してもらいたい。

 

はたして新幹線に、それだけの値打ちがあるのか?

 

 

一年ちょいと前に思った疑問が、九州新幹線開業のニュースを見て、また湧き上がった。

が、一年ちょいと前と変わらず、新幹線を、わが県に、わが地方に、と言う運動と言うのか、声は、各地で、未だにあがり続けている。

そりゃ、新幹線と言うブランドは魅力的だろうし、そのブランド力に見合うだけの効果も有るのかも知れない。が、ブランド品の中には、どう考えたって、ブランド名だけで、高い値段を付けている物も、相当存在する。

 

 

まあ、でも一回位は乗ってみたいな