裏木戸通信 204号
隠し事
人には一つや二つ、と言わず、数多くの隠し事がある。
私にだって腐るほどの隠し事があるし、なんと言うのか、人生そのものを隠したいと言うのか、人間そのものを隠したいぐらいである。
が、やっぱり隠し事は、あまり良くない。
うん、円滑な夫婦関係を維持するのは、ほんの少しの隠し事、とか言うが、まあ、そりゃ、画していたほうがいいけれども、暴かれても、まあ、そのぐらい隠すよねぇ、と言うレベルのことだと思う。
あまりに、内容がアレな物は、やっぱり隠したくなるだろうが、隠していた事がばれた日には、人間関係がおしまいになってしまうと思う。
まあ、個人レベルでの隠し事ならば、その人個人の評判が落ちたり、その個人と周りの人たちに迷惑がかかるだけですむ。
が、之が政治家や、行政機関、企業なんかだと、その影響などは、しゃれにならないレベルになる場合がある。
ここの所、三菱自動車のリコール隠しが、話題になった。
三菱ふそうトラックが、ハブに欠陥があることを知りながら、リコール隠しを行っていたのである。
で、タイヤが脱落して、死者まで出ると言う、実に悲しむべき事態に陥った。その後は出るは出ると言った感じで、不祥事が続出した。で、之で終わりかと思ったら、乗用車でも、リコール隠しをしていたことが判明した。
確かにリコールを申請すれば、企業イメージが下がると言う、側面がある。
だから隠したんだよね、三菱自動車の皆様。三菱と言う名門ブランド守るために。
確かに、些細なリコールで、消費者は大騒ぎしすぎかもしれない。
作った側が、製品に欠陥があれば、回収するのは、当然と言えば当然だし、やってもらわなければならないことでもある。で、作る側は、出来れば、完璧な製品を作りたいだろうし、消費者としても、完璧な製品を作ってもらいたい。
が、製品が高性能になればなるほど、高機能になればなるほど、製品事態が複雑になっていき、其れにつれて、使用するパーツなども増えてゆく。製品の故障発生率は、使っている部品の数に比例して上がってゆくという。年々複雑化、高機能化、高性能化して行く、工業製品。いくら完璧を求めても、そこは人間様のやること、やっぱりエラーが生まれる。
で、その、どうしようもない事情で(どうしようもなくない事情で生まれる場合も有るかもしれないが・・・・)生まれてしまった、エラーに、対処する制度がリコールなんだと思う。
そりゃ、リコールされなければ、其れに越したことは無いけれどもさ、リコールも出されず、安全な製品があるのも事実だけどさ、だからと言ってリコールが出たからと言って、あまりアレな目で見るのもどうかと思う。うん、まあ、実際高価な車、私も買って、リコールとか言われたら、たぶん切れるだろうけれどもね・・・・・・・・・・
そう、瑣末な欠陥、普通に乗っていれば、まず問題の無いような欠陥でも、リコール届け出なくちゃいけない現在。それで、製品イメージが下がるぐらいならば、普通に載っていたって問題の無い、欠陥ともいえない、欠陥ぐらい、隠しておく、ってもんですよ、ねぇ、三菱自動車の関係者の皆さん
そうだよ、そうだよ、そうなんだよ。企業経営だって、煎じ詰めれば、夫婦関係とおんなじ。多少の隠し事があったほうがうまくいくってもんですよ。リコール隠したり、政治家の先生に貢いだり、総会屋に利益供与したり、税金ちょろまかしたり、その他のあれやこれやだって、何処の企業だって、多かれ少なかれ、隠し事をやっているんだ、やっている筈だ、多分やっているだろう。なのに何故、名門三菱の、リコール隠しだけが、ここまで大騒ぎされるんだ。貴様ら庶民が、名門三菱の商品を買えるだけでも有り難いと思わなくちゃいけないのに、些細な欠陥の無償修理を隠したぐらいで、鬼の首を取ったかのような大騒ぎをするなって紋ですよ、ねぇ、三菱地ぢょう者の関係者のお歴々。
判りますよ、一度落ち目になったら、みんなでよってたかって、叩き続けるのが、日本民族のいやらしさ。暗さ。上り上司の時は、散々へいこらゴマをすっているのに、一度でもけちが付けば、ぼろくそに叩くのが、日本人。本当に、やってられませんよね、こんなこと。
そうだ、リコール隠したぐらいで大騒ぎするな馬鹿野郎。人の作り物なんだぞ!!欠陥もありゃあ、故障も有るし、不良品だって有るわい!!
なーんて思える訳は無い!!
死者が出ているんだぞ、重大な事故が出ているんだぞ、実際問題、タイヤが脱落しているんだぞ。他の企業の、普通に運転する分には問題が無い(だからと言って隠して言い訳ではないが)様な欠陥とは根本的に違うんだぞ!!
もう少し、そこいら編の自覚を持って企業再建に臨んでほしいと思う所なんだが、なんと言うのか、ここまで、隠して、事故が起こったメーカーに、新品のトラックを口封じに送るという、時代劇に出てくる、悪徳商人を地で行くような真似をされると、再建を応援する気力すら失せる。
うん、なんと言うのかさ、つぶれちゃえ。倒産しちゃえ、こんないい加減な、ちゃらんぽらん企業。
名門だか何だか知らんが、この時代、ブランドだけで食っていけるとも言っているほうが、大きな間違えって言う物である。
名門三菱の看板背負った企業でも、消費者ないがしろにすると、とんでもない目にあう、と言う見せしめと言うのか、標本と言うのか、反面教師というのか、そんな物にする為にも、いっそぶっ潰れた方が、これからの日本のためなのでは??
親会社とも言うべきダイムラーにも見捨てられた、自称名門三菱の自動車会社。本気で再建したいのなら、文字通り、ゼロに立ち返って、海は全て搾り出して、死ぬ気で再建してほしい。で、ほかの企業は、之をよい教訓に、まず、ユーザーあっての、お客さまあっての、消費者あっての企業であると言うことを考えて、今一度見直してほしいと思うのだが・・・・・・・・
雪印って言う前例があってこれだからなぁ・・・・・・・・・・・・・