裏木戸通信22号

 

 

頑張るなプロ野球

もうとっくの前だが、今年のプロ野球読売巨人が優勝した。

やれON対決、やれミレニアムV、そして読売系のメディアでは未だに長島巨人の日本一の話題で引っ張っている。さすがにうんざりである。(私が巨人嫌いということもあるが)

「長島巨人が優勝してその経済効果は計り知れない物がある。」等というが、それも怪しい物である。

巨人、大鵬、卵焼き。この世代の人間にしてみれば結構なことなのだろうが、その様な時代を知らない私からすれば、なにやらマスコミの空騒ぎのように思える。

そして現在日米野球を行っている。サッカーで言えばワールドカップにあたるかもしれないが、スケールの小ささはなんともならない。当たり前である、この試合は、いわゆるエキシビションマッチである。日本ではそこそこ盛り上がっているが、アメリカではほとんど話題にすらなっていないと言う。ひねくれた見方だが、アメリカの選手はいわゆるシーズンオフの余興であり、物見遊山気分で日本にきて、ついでに試合をしていると言った乗りなのかも知れない。(まあ、シーズン中に国際試合に協力をしないのは、今年のオリンピックを見れば明らかである)

一方のサッカー。Jリーグ発足時のような人気は今は見る影も無い。しかし、オリンピックでの予選トーナメント突破、アジアカップ優勝など明るい話題が続いている。何よりも、日本サッカーは確実に実力をつけてきている。(国際レベルから見ればまだまだだが)

そして、2002年には、この日本と、そして韓国でワールドカップが開催される。

確かに国内のリーグ戦の客入りは、惨憺たる物もある。しかし、鹿島アントラーズや、浦和レッズなど、毎回多くの客が入っているチームもまた存在する。このことは、チームの運営の仕方によっては、国内リーグでも客が呼べる事を如実に証明している。(野球も一部人気球団以外は、客入りは芳しくない)

若者のプロ野球離れは今に始まった指摘ではない。学生時代、球場の人員整理のバイトをしていたが、野球は中年の人が多く、サッカーは若者がやはり多かった。

これはなぜだろう?

流行も少しはあるだろう。国際試合だけサッカーを見るミーハーファンが多いのも事実である。

しかし、別の面もある。サッカーで活躍する。その先にあるのは世界である。日本で実力を着けて、世界に羽ばたく。そして、その舞台は豊富に用意されている。ドイツ、イギリス、スペイン、イタリア、ブラジルなどの各国のリーグ、オリンピック、ワールドカップなど。

そして、ペレ、ベッケンバウアー、ヨハン・クライフ、ジーコ・マラドーナ、ロマーリオ、等等、サッカーの国際舞台で活躍すれば、世界にその名を轟かせる事がきるのである。Jリーグや、国際試合のゴールデンタイムでの放送などでそのことを実感した人たちも少なくない筈だ。(その意味では、Jリーグの果たした役割は大きい)

今サッカーをやっている子供たちの目標は、残念ながらJリーグではない。その先に広がる世界のはずである。

片や野球はどうであろう?せいぜい、アメリカの大リーグである。メジャーリーグで活躍する選手の名前は日本では知られている。しかし、それ以外の国では、そんなやつら知らない人間のほうが多いだろう。佐々木の活躍は、日米ともに知られている。しかし、それ以外の国の人間は残念ながら、彼を知らない。

大体、国際試合とは無縁で、日本の野球が今世界のどのレベルにあるのかもわからないのが実情だ。少なくとも日本のプロ野球は、たったの六球団内のNo1になるために、国際試合への協力を拒否すると言う状況である。(サッカーはオリンピックなどのためにリーグ戦を一時中断している)

そしてその内輪での勝利を大々的に宣伝する。(今思い出しても腹が立つ、高橋選手を一面にしなかったあの事件)

一部の球団が勝ちたいための我が侭が通る組織体系。

サッカーなどで、世界を相手に戦う面白さ、世界という桧舞台で実力を試すということがどういう事かを知ってしまった今の子供たちが、果たしてこのようなプロ野球に興味を感じるだろうか。

今はまだ、巨人、大鵬、卵焼きの世代が現役だからいいであろう。しかし、この先は?これらの世代が現役で無くなった時。プロ野球はどうなるのであろう。Jリーグの不人気で今は一安心かもしれないが、10年、20年後の事を考えているのだろうか?このまま何もしなければ、30年後のプロ野球は、崩壊しているのではないか?

しかし、むしろ、20年後など、全く人が入らず、崩壊寸前まで言ってしまうほうがいいかもしれない。すくなくとも、プロ野球の運営が崩壊寸前の危機的状況にでもならない限り、プロ野球気候は、組織を変えようとしないだろう。

 

いい加減価値観を変えてくれ、スポーツ報道!!