裏木戸通信第三号

宣伝車

今回はちょっと政治ネタ。

衆議院選が始まった。

街は立候補者のポスターであふれかえり、道は、街頭演説車が跋扈する。

私は子供の頃、宣伝者に手を振るのが好きだった、と言うより今でも好きだ。

手を振ると、「ご声援有難う御座いますーーーーーーーー、一生懸命がんばりますーーーーーーー。」等と2オクターブぐらい高い声で返事をしてくれる。

愛想は良い、しかし、どの宣伝車もマツモトキヨシの宣伝のごとく、候補者の名前を連呼するばかりである。

「○×△、○×△を、よろしく、よろしくお願いいたします。」

はっきり言って、騒音公害、景観破壊である。

しかし、ここで疑問が残る。

なぜ「お願いいたします。」を二回いわないのか?

大抵の場合、名前と、よろしくは必ず二回繰り返す。お願いは一回しか言わない。

 

なぜか!!!

 

実は、これには実は政治家の根性が見え隠れしている。

名前は覚えてもらいたい。

だから二回繰り返す。

「よろしく」これは言い方を変えれば自分、または自分の考えを売り込む時の常套句のようなものだ。「今度、担任になった○○です。よろしく」、「転校生の△□です。よろしく。」、「そういうことでよろしく!!!」等など、自分の売り込みに不可欠な言葉である。

これを二回繰り返すのも、当然、自分を売り込みたいからである。

では、「お願いいたします」はどうか。

これは相手に何かを頼む時、頭を下げながら言うのが普通の使い方である。

候補者は投票してもらうのである。「私に投票して下さい」とお願いする立場の筈だ。

しかし、どの宣伝車も、「お願いします。」をいう回数は極端に少ない。

 

なぜか

もうお分かりであろう

「てめーら国民にお願いされるのが本来の仕事だ。誰がてめーらなんかにお願いするかってんだ!!!」と言う、当たり前の政治家根性が、そうさせるのである。

選挙戦最後の日に彼らはなんと言うか、

「○×△が最後のお願いにやってきました」

これも、裏返せば、「選挙が終われば、当選しようが、落選しようが、てめーら国民にお願いすることなんかねえんだよ!!!」と言う心理を暗に示しているのである。

そう、お願いする気が鼻から無い心理が、「お願いします」を一回しか言わせないのである。

また全立候補者がそういう態度でいることで、国民も「所詮政治家なんかそんなもんだな。」と思い、特に疑問にも思わなくなる。

そう、言わば飼いならされるのである。まさに政治家の陰謀ここに極まれりである。こうして国民は議員会館に陳情に行くことを特に疑問に思わなくなり、政治家も、国民に頭を下げられても何の疑問も感じなくなるのである。

そう、宣伝車の連呼には国民を飼いならそうと言う恐るべき、政治家たちの陰謀があったり無かったりするのである。

全ての疑問はこれ陰謀に通じる。

(こんなことを書いているからと言って、ここの主催者はヤバイ政治主張等は持っていませんので悪しからず。)