裏木戸通信51号

 

タイムマシン

 

 

タイムマシンは作ることはできるのでしょうか?

 

未来へ行くものは、比較的簡単にできるかもしれません。

たとえば、数百年間、殆ど老ける事無く冬眠できる装置とか、光に限りなく近いスピードで動く宇宙船を作るとか。

兎に角、乗った人が年を取りにくくする装置を作ればいいのです。

では、過去に行く装置、すなわち、

 

 

時間を遡れるタイムマシン

 

 

は作れるのでしょうか?

未来へ行く装置は、比較的簡単にできるかもしれませんが、戻って来れなければ意味が無い、とも言えます。

 

だってそうでしょ?

 

未来に行って帰ることが出来たら、ぼろ儲け間違えなしですよ。

 

 

 

値上がりする株を見つける。

 

 

 

競馬などの結果を知る。

 

 

 

宝くじの当選番号を知る。

 

 

 

未来にできる特許等を知る。

 

 

 

etc

兎に角先のことを知ると言うのは、強力な武器になります。

又、この事を色々な意味で人間は実感するので、予想、予測などを立てたりもします。現在のデータを元に将来起こりうることを予測する。集められるデータや、類型の事象、知識、等が多ければ多いほど、予測は正確なものになります。

しかし、それとて100%には決してなりません。

だからと言う訳かは解かりませんが、人間は昔から、予測する傍ら、占いや予言など、何と無く先のことを言っているように思える、怪しげな物に魅力を感じ、興味を持つのでしょう。

これらの物が存在しうるのは、

 

 

 

 

「未来は誰にもわからない。」

 

と言う、人類の歴史始まって以来、変わることの無い鉄則があるからです。

又、時間を遡れないから、人間は諦めることもできるのかもしれません。

「覆水盆に帰らず。」

一度やってしまったことは、誰にも訂正できません。

誰にだって、悔んでも悔やみ切れない失敗はあると思います。

しかし、世界中の誰でも、それを訂正することが出来ない、だから、諦めもつくし、其処から教訓を得られるのかも知れません。

 

 

 

 

「時間だけは元に戻せない。」

 

これも、変わる事の無い鉄則です。だからこそ、歴史上の出来事は、壮大なドラマにも成り得るのかもしれません。

では、此処で戻ってこれるタイムマシン。つまり、時間を遡る事のできるタイムマシンが出来てしまったらどうなるでしょう?

この人類始まって以来、変わる事の無かった鉄則が崩れることになります。

 

時間を遡れるタイムマシンが万が一完成したら。

 

これをテーマにした、漫画やら、SFやら、映画やらは数多く存在します。

未来に行って、人類の悲惨な将来を見る。未来を知り大もうけをするが、自分の最後を知ってしまう。etc。

しかし、未来に行って戻ってくると言う物語はあまり多くないような気がします。

大抵未来に行ったままで、そこで、何か悲惨なものを見る。と言うパターンが多いような気がします(あまりその方面は詳しくないので、間違っていたらご容赦を。)

多いものは、過去は雪、歴史の激流に巻き込まれる。歴史を変えようと試みる。と言うパターンが多いような気がします。

これがなぜかは、私にはわかりません。

しかし、時間を遡ることができるタイムマシンが出来たら、人間は、過去から学ぶと言うことはしなくなるでしょう。いや、ひょっとすると、学ぶと言うこと自体、しなくなるかも知れません。学ぶと言う行為の根本は、失敗に根ざしているからです。もし、時間を遡ることができれば、人間は失敗を100%避けることが出来ます。すなわち、失敗しなくなります。こうなると、人間は、何も学習しなくなるかもしれません。

(もちろんそうはならないと言うことも十分考えられますが)

 

 

歴史を変えることは可能なのかどうか?

 

 

又、それが可能だとして、それをすることが許されるのかどうか?

 

 

知的遊戯としては面白いものがあります。

歴史を変えることは出来ないかもしれませんが、

 

歴史を改ざんする事

 

はできるかもしれません。

 

最もこれは、やってはいけない事だけは確かですが。

 

 

 

直したい、人生の悔い、星の数