裏木戸通信 75号

 

 

なちす・どいちゅ
 


 

ナチス

 

 

20世紀の悪夢の具現者。

人類の狂気の生んだ最たる組織。

ホロコーストによって数十万とも数百万とも言われるユダヤ人を虐殺した、悪魔の組織。

ナチスに関するイメージは大抵こんな物ではないだろうか?

ナチスのやったことは当然許されることではない。

しかし、その様な狂気の組織が、仮にも一国を支配し、そして、一つの民族を根絶やしにしようとして、それを実行したのもまた紛れも無い事実である。

ナチスという組織は、60年前には実在し、そして、彼らが多くの犯罪行為を行ったのも、紛れも無い事実なのである。

 

 

そう、ナチスは決して悪夢ではないのである。

 

 

ただ、ナチスが実在し、多くの犯罪行為を行ったと言う歴史上の事実は、反面、我々に多くの教訓も残してくれていると思う。

なぜ、ナチスが生まれたのか、そしてなぜ、一国をナチスが支配してしまい、そして、なぜ、あのような、犯罪行為を行ったのか。

それを、ただ単純に、ナチス=悪。では無く、ナチスという組織が歴史上存在したと言う事実、そして、その様な組織に支配され、恐ろしい犯罪行為を、同じ人間が、同じ人間に対し行ったと言う事実を踏まえて教える事が大切だと思う。

ナチス=悪、ナチス=恐ろしい組織。と言うのは事実だが、それだけの単純なイメージで、ナチスを考えたり、ただそういう単純なイメージだけをを広めるのは、ある意味危険なことかもしれない。

人は、悪を恐れ嫌がり、それから目を背けようとするし、恐ろしい物には触れないようにしようとする心理が働いてしまうからである。

単純なイメージだけが広がると、事実、現実としてのその様な物、行為から目を背けさせ、ナチスのような組織に対する免疫がなくなってしまい、逆に、似たような組織の台頭を助ける事になってしまうかも知れない。

少しずれた例えになるが、殴られた事が無い人間のほうが、加減が出来ず、人を死ぬまで殴ってしまう、殴られると痛い、だから殴ってはいけない。と口で100回言うよりも、一回殴られた方がその事が良く判るのと理屈は同じのような気がする。

 

 

まあ、長くなったが、ナチスをただ単純に、悪、恐ろしいとする方が判りやすいが、半面危険を孕んでいるかも知れないと言う事である。

 

 

 

ただ、単純にナチス=悪、恐ろしい。とするのはまだいいほうかもしれない。

 

 

 

一応事実を踏まえているんだから。

 

 

困った事に、日本には、歴史上、完全に間違ったイメージも広がっているような気がする。

うまい表現が出来ないが、ナチス=洗練された悪の組織と言うのか、オカルトと技術を融合させた、神秘的悪の組織と言うのか、

 

 

とにかく、ナチス=かっこいい、的なイメージが広まっているような気がする。

 

 

これらのイメージを広げてしまっているのが、残念ながら、日本が世界に誇る文化、漫画である。

確かに、その後のロケット技術の基礎となったV2や、世界で始めてジェット機を実用化させたなどの面はあり、ある意味それはかっこいいのかもしれない。でもそれは、ドイツの技術者が凄かっただけで、ナチスが凄かった訳ではない。

いや、かっこよく描いてもナチス=悪、としているのならまだかわいいほうで、中には、ナチス、又はどう見てもそれを信奉していたり、その格好をした奴等が、主人公といっしょに、正義の為に戦うと言う、ユダヤ人や、ナチスの被害にあったヨーロッパの人たちが見たら卒倒しそうな物まである。車田正美のリングにかけろなんか、ナチズムを賛美していると言われても、反論の仕様が無いくらい酷い物である。

こんな歪んだナチスのイメージが広がるのは、単純なナチス=悪のイメージよりも、数百倍、数千倍危険なことである。

だって、歴史的事実を完全に無視しているんだから。

大体ナチス=かっこいいって言うイメージで漫画を書く奴らがどうかしている。

 

 

 

 

 

ナチスはすんごくダサくてかっこ悪い組織だぞ。

 

 

だってそうでしょ。

 

 

 

アーリア人、ドイツ人は偉大、凄い、かっこいい、神に選ばれた民族、で、そんな優れたアーリア人がBIGになれないのは、ユダヤ人、他の民族が悪いから。

 

 

かなりデフォルメしたが、平たく言えば、こんな主張をしていたわけでしょ? ナチスって。

 

 

これを人間に当てはめてみよう。

 

 

 

 

 

俺は、天才、偉大、凄い、かっこいい、神に選ばれた人間、で、俺がBIGになれないのは社会が悪いから、世間が悪いから、誰々が悪いから。

 

 

 

 

 

 

こんな主張をしている人間が周りにいたら、どう?

 

 

普通相手にしないか嘲笑するか哀れんだ目で見るだけでしょ?

いや、これで済めばまだいいほうで、下手をすると、キ○ガイ扱いされて、窓に鉄格子のはまっている病院に入れられるかもしれない。

こんな奴をかっこいいと思う人間がいるだろうか?

いやしない。いるわけが無い。

こんな奴は、ダサい奴、馬鹿な奴、かっこ悪い奴、ウザイ奴、哀れな奴、など、非常にマイナスな取られ方しかしない。

もっとも、サル以上の知能を持っていれば、こんな主張はとてもじゃないが出来ないはずである。恥ずかしいし、それ以上にばかばかしくて。

 

 

こんな主張を出来るのは、頭脳、精神がサル並みの奴だけである。

 

 

 

で、そんなサル並の奴が集まって作った組織がナチスである。

 

 

 

普通に考えれば、めちゃくちゃかっこ悪くて、ダサくて、救いの無いくらいダメは組織である。

大体上記のタイプのキャラは、漫画にだって出てくるでしょ。

救いの無い奴、又は、逆説的にギャグキャラとして。

ナチスだって同じだぞ、ただそれの組織版なだけで。

なのにナチスは・・・・・・・

こんな祖組織をかっこいい的なイメージでかける漫画家のセンスと頭脳構造って一体どうなっているの?と疑いたくなってしまう。暴走族あ、違った珍走団だった、を美化したり、ナチスをかっこよく書いたり、センス、頭脳、感性ともに最悪じゃん、こいつ等。

もし漫画がこんなのばっかりだったら、即刻漫画を禁止するところだ。

でもよくよく考えたら、ナチスと、珍走団って、全然変わらない、全く同じ組織なんだよね。内容が。

珍走団の連中がよく言うでしょ。

俺たちは、力も能力も才能もある、だが今の社会じゃ、俺等みたいなのは、つま弾きにされる・・・・・、能力を認めてくれないから俺たちはこんな風に主張するしか・・・・要するに、俺たちは、才能も、力もあるが、回りが悪いから、こんな風になっちまった。と主張する。

 

 

 

 

 

ね、似ているでしょ、ナチスと珍走団て。

 

 

 

で、実際は常識モラルも持っていないし、基本的に思考回路はサル並だから、自分の我侭を聞いてくれない奴、自分の邪魔をする奴、自分が嫌いな奴には、当たるを幸い暴力をふるう。

 

 

 

ね、そっくりでしょナチスと珍走団って。

 

 

ただナチスの場合は、国家を支配したし、破壊力のでかい兵器等を持っていたから、その被害がとんでもなくでかくなってしまったわけである。

しつこく言うようだが、本当に、こういう日光のサル並みの奴らを美化したり、格好良く描ける漫画家の脳味噌は、恐らくこいつ等と同レベルか、それ以下の物だろう。

普通、人並みの頭脳さえあれば、頼まれたって美化したり格好良く描けないし、大体書き様無いじゃん、こんな連中。

 

 

 

で、更に困るのが、こういう物に影響されて、珍走団や、ナチスをカッコイイいと思い込んでしまっている連中である。

 

 

 

以前、「ここが変だよ日本人。」と言う番組でナチスのコスプレをした人達が出ていたが、あれなんか、サルのきぐるみを着て、「俺はかっこいいだろ」と思い込んでいるようなもんである。

で、更に、その中で、何か血迷ったのか、それともサルたちの中でも特に能力が劣るのかは知らないが、お馬鹿さんが一匹、フランス人の前で、ナチス式の敬礼をしていたが、あれなんか、観光客の持っている食べ物を奪う為に歯を剥いて威嚇する日光のサルのあの姿がかっこいいと思い込んで真似をして得意になっているような物である。

ダサい、ダサすぎる。ダサすぎて普通出来ないぞ、そんな真似。

私は馬鹿ですと、衆目の前で、宣伝者でがなり立てているよりも、情けないことである。

で、それに対してフランス人の方が激怒していた。

まあ、あの人の心情は大いにわかるが、怒ってはいけない、あの手のサルは、相手にされると、攻撃されたものと勘違いして、なおさら思い上がり、付けあがり攻撃的になるから。

サルのコスプレをして、かっこいいと思い込んでいる人がいたら普通どう反応する?

 

 

 

 

 

哀れな奴。

 

 

と哀れむか、無視するか、相手にしない、かのどれかでしょ。

だから、思いっきり哀れんだ目で見てやればいい。

 

 

 

「 可哀想なお猿さん、なまじ人間の格好していたが為、サルの仲間にもなれず、かといってサルだから人間社会で人並みな日常生活なんか出来る訳も無いから似たような人型サルと群れているんだね。 」と。

 

 

そうすれば自分たちのダサさ、サルさに気が付き、ひょっとしたら、改善して、せめて人並みに近くはなるかもしれない。

こんな連中をのさばらせない為にも、そして日本が誇る漫画文化を汚さない為にも、ナチスや、珍走団を美化したり、格好よく描く漫画は今すぐ発禁、もしくは、最悪18禁、もしくは、猥褻図書に指定してもらいたい。

しかし、こんな事ばかり、ほざいているだけではいけないかもしれない。

明日は我が身と言う言葉があるが、これは国にも当てはまると思う。

明日は我が国。という考え方だって出来る。

ナチスのようサルの組織に、自分たちの住んでる国が支配されてしま可能性だって十分にあるのである。

こんな事を書いている私だって、明日には、かつてのドイツ国民のように、ナチスのようなサル達に熱狂しているかもしれない。

で、万が一にも無いとは信じたいが、もし、日本が、ナチスのような、サルの組織に支配されたら悲惨である。

 

 

 

子孫達が!!

 

 

 

万が一にも無いとは思うが、そんな風にならない為にも、ほんの少しだけ、社会や、世間等に対し、責任を持って向き合いたいと思う。

 

 

サルの惑星