裏木戸通信 87号
値段相応
かつての某鉄人の店で食事をすることにした。
彼女とでは当然無い。
個人で払ったわけでもない。当たり前である、アンチグルメを人生の指針の1つにしている私がそんな事をするわけが無い。
まあ、野暮用というのか、なんだかんだで食べたのである。
美味しかったです。
さすが鉄人の店だけあって。味音痴の私でも、「美味しいじゃん」と唸る美味しさであった。
少々信念が揺らいだ。「まあ、たまには、こういう美味い物を食べるのもよろしいかな。」と。
だが、食べながら少し考えて行く内にその信念も変わってきた。
聞くのは野暮と思ったが、幹事に値段を聞いて吃驚である。
俺の夕食1週間分じゃん!!(自炊のおかず代含む)
確かに美味しい、さすが鉄人が作ったものだけあって。
でもその量たるや少ない。美味しいことは美味しいが、腹が膨れると言う量ではないことは確かだ。
量が多いと下品なのかもしれないが、この少なさは・・・・・・・・
と言うか詐欺じゃない、これ?
こっちとら、俺が一週間は夕食食えるだけの値段払っているんでい、もっと満腹感を得られる物を食わせやがれ!!
そう、その時確信した。
やはり俺はアンチグルメで生きてゆくと!!
だってそうでしょ、その量の少なさを見ていない方々に言ってもピンと来ないかも知れないけれども。あれだけの値段を払って、あの量じゃあね。
例えばさ、100万の車だったら、走ればいい、ぐらいの感じだけれども、500万とか1000万とかの車だったら色々求めるでしょ。その車に。厳しく吟味するでしょ、その車について。
電化製品だって、PCだって、服だって、その他諸々、この世のありとあらゆる商品には値段があるし、値段によって、相応の何かをその商品に求めるでしょ、誰だって。
食事だって商品なんだからさ、高ければそれ相応の物じゃなきゃ困るし、それ相応の物を求めるよ。
なのに、値段のかかる食材、値段のかかる調味料、値段のかかる何かをこれ見よがしに贅沢に使って、料理を作る。でそれを食べて「美味しい!!」
馬鹿か?
一体それに幾ら掛かっているんだよ?この資本主義の神が支配する日本で、高い金掛けて不味かったらそりゃあ詐欺ってもんだよ。そこで偉そうに、他かが食事の知識程度で、偉そうに色々ほざいている、漫画に出てくる夫妻。お前らだよ。お前らの言っている理想の食事なんか金が掛かりすぎて我々愚鈍で、馬鹿な一般人はとてもじゃないが毎日なんか食べられないんだよ。大体、幾ら給料貰っているか知らないが、貴方達、エンゲル係数やたら高いでしょう。悪いことは言わない、多少食事に関する考え変えて、エンゲル係数もう少し低くして、そのお金を別の楽しみに使ったり、そのお金を貴方達がグルメをするために犠牲になっている人達のために使いなさい、うんそれがいい、そうしなさい。
本当に、こういう事を言うと貧乏人の僻みと言われる恐れもあるし、事実その側面も在るかも知れませんがね、グルメグルメとか言って、そこで高いもの食って悦に入っている人達も、よく考えて見ましょう、そりゃたまには良いかも知れないけれどもさ、もう少し、庶民が無理なく買える物使って美味しい物を作る事とかさ、もう少し、色々な人や、所に負担を掛けない方法で美味しい物を作ることを考えようよ。
他の商品を見てみろ。この不況の時代、いかに安くて良い物を作るかに心血注いでいるんだぞ。グルメだってそれをせんかい。
騙されていない?
高い金掛けて美味しい物を食べて、美味しいって。先にも述べたが、金を掛けて不味ければ詐欺でしょ!!
ちゃんと値段を考えて言っています?その台詞。
大体飢えている人達だって沢山入るんだぞこの世には。
詳しい数字はわからないが、確か全世界の半分以上の人々が飢餓に苦しんでいると言う。
で、飢えていない人達が、少々我慢をすれば、かなりの人達が飢餓から救われると言う。
と、まあ、説教臭い事を書いてしまったが、俺が何か出来るかは判らないし、何か出来るわけでもないかもしれない。
だが、グルメ、グルメとか言っている人達にもう少し、グルメとか言う物について考え直してほしいのは事実である。
いっぺんあの漫画で飢餓問題扱ってくださいよ、小学館の皆さん。