裏木戸通信号外

 

虚人優勝に寄せて

2000年9月24日。

20世紀最後のペナントレース、我が黄泉売虚人軍は見事、背・リーグ優勝に輝きました。

今年の優勝への第一歩は、「球界の冥主、黄泉売り虚人軍が20世紀最後のペナントレースを制さなければいけない。」という、強迫観念に駆られたオーナーの命令により始まりました。

しかし、選手としての才能には恵まれていますが、監督としての才能には恵まれなかった男に率いられた球団を優勝に導くのは容易な事ではありませんでした。

しかし我が黄泉売りには他球団など及びもつかない金銭力があります。他の球団から有力選手を高値で購入して、チーム力の狂化に勤めました。

これで、今年の優勝は確実の筈でした。

しかし、我が黄泉売り虚人軍の優勝を快く思わない連中の妨害が相次ぎました。

そう、オリンピックへの選手派遣問題が持ち上がったのです。

これも今年の派・リーグの優勝が難しいと思った、西部グループの会長であり、J〇Cの会長でもあるツツミ氏が、我が虚人の金銭をかけた補強に嫉妬しての妨害工作でしょう。

しかし、この卑劣極まりない妨害工作も、強迫観念に駆られたオーナーの「オリンピックに選手を送りたいのなら、派・リーグに行けばいい。」という名言により、事なきをえました。

他にも審判に贔屓されている事を快く思わない、他球団のファンによる誹謗中傷。3億と言う高値で購入したのに、値段に見合う働きをしない「キ〇ハラ」。等など、我が虚人の優勝への道のりは決して平坦な物ではありませんでした。

しかし、それら、優勝の前に立ちふさがる数多くの問題を、プロパガンダメディアを持つ強み、昨シーズンオフ、大量の資金を持って、購入した選手、二軍で飼い殺しにしている若手などを活用する事により、乗り越えてきたのです。

我が虚人のこれらの行動、活動は、我が球団の金銭力を妬む、他球団の関係者、ファンから、多くの誹謗中傷を受けてきました。しかし我々はその様な事は気にしませんでした。所詮彼らには、「黄泉売り虚人が優勝すれば、日本の景気は回復する。」という我らがオーナーの妄想を理解する事が出来ない哀れな人間たちだからです。

これら数多くの困難を乗り越えついに9月24日我が虚人軍はセ・リーグ優勝を果たしたのです。

しかし、この喜ぶべき日に、我が虚人の優勝に水をさすとんでもない出来事が起こったのです。

そう、高橋選手のオリンピック女子マラソンの優勝です。

これが、我が虚人の優勝を快く思わない、我が虚人の優勝が、スポーツ紙の一面を飾る事を快く思わない、ツツミ氏の陰謀なのかどうかは定かではありません。

しかし、彼女が優勝した瞬間、ツツミ氏はスポーツ紙の一面は取れると思った事でしょう。

ひょっとすると、ツツミ氏だけでなく、高橋選手も、スポーツ紙の一面は取れると思ったかもしれません。

しかし、世界中の注目が集まる大舞台で、世界の強豪を相手に闘い、世界新記録で、日本陸上女子初、日本の陸上会でも68年振りとなる金メダルを取った、世界の広さと、レベルを知る彼女に、日本スポーツ界の矮小さ、程度の低さを理解する事など、所詮不可能な事でした。

そう、9月25日のスポーツ紙の一面は、一部、我が虚人の優勝の意義を理解できない一部の物を除いて、我が虚人の優勝を称えていたのです。

おそらくツツミ氏は悔しがっている事でしょう。ひょっとすると、高橋選手も心中穏かでない物があるかもしれません。また、我が虚人の優勝の意味、オーナーの深い妄想を理解せず嫉妬している他球団のファンも快く思っていないかもしれません。

しかし、狭く、澱んだ、井戸のセ界で踏ん反り返っている蛙の気持ちを、広い大海原を悠然と泳ぐ大魚に理解させる事など不可能です。

だからその様な、誹謗中傷、我々は、一向に気にしておりません。

最後に、我が虚人軍を最後まで応援してくれた矮小なる同志達にうわべばかりのお礼を申し上げます。

 

2000年9月25日 黄泉売り虚人軍関係者一同

 

戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここに書いてあることは、あくまでもフィクションであり、実際の人物、団体などには一切関係ありません。