川柳   「北区の札所」(北区教育委員会発行より転載しました。
 五番目は同じ作でも江戸産れ (柳樽初編)
 六あみだ五番ばかりが米の飯
 五番目の弥陀は麦めしきらい也
 五番目の外は稗糞寺ばかり
 一体は地ものぎらひの弥陀もあり

 六つに出て六つに帰るは六あみだ
 三阿弥陀むなしく帰る草鞋喰い
 出るも六つ帰るも六つの六あみだ
 杖を力にたどたどと四五阿弥陀
 四五番で腰のふらつく六あみだ
 いらぬこと嫁田端から腰が抜け

 六あみだみんな廻るは鬼ばばあ
 あしたに道を聞六あみだ婆あ連
 木あまりを入れて婆あは七あみだ
 小言の親玉連れ立って六あみだ
 六あみだ嫁の噂のいいはじめ
 六あみだ嫁の噂のいい仕舞

 六あみだ女房羽二重餅のよう
 六体の利益で女房ねれる也
 思慮あって女房を連る六あみだ
 湯にやってみればつまらぬ六あみだ
 六あみだねれはねれたが死んだよう
 六あみだあんまり濡れて熱がさし
 六あみだ翌日亭主飯を焚き

 亡き人のためかや今日の六あみだ
 誰が為にぬれるか後家の六あみだ
 六あみだ後家は仏の為にぬれ