近況報告!

11/26

 うーん,本気で更新する時間がありません.

 申し訳ないです.

 実は,今日ウチの会社は給料日で,そして給料日は『定時出社,定時退社』なわけでして,いつも午後10時とかいう深夜残業の一歩手前(深夜残業は面倒な申請が必要)の時間に帰っている僕にとっては「定時(=午後5時15分)退社日」は夢のような時間に帰れる月一回のご褒美であり,「あぁ,なんかこの時間に帰ると新入社員研修の頃を思い出すなぁ」とか「寝るまでの時間がいつもより三倍あるよ!オレ専用の時間が三倍に!」と言いながら三倍の速さで会社から寮までの人ごみを駆け抜けてみたり,また駆け抜ける途中で「ザクとは違うのだよ!ザクとは!」と間違ったセリフを口に出してみたり,そういうご褒美(?)の日なんですよ,給料日は.

 ………今の今まで残業してました.

 オレの給料日を返せ!(涙)

 ******

 というわけで,今月は定時退社日という古き良き安息の日がなくなってしまい,定時退社した後の時間でビールでも飲みながらこの日記でも書こうと思っていたわけですが,その計画もこっそり上司によって提出されていた「定時退社日・残業申請用紙」という一枚の紙切れに僕の名前が連なれたことによってもろくも崩れ去りました.本当は今年最後の芋煮会のことでも書こうかと思っていたんですが,なにやらもうはるか昔のように感じられるので止めときます.

 …芋煮は良かったな…….

 ……いやー,良かった良かった.

 以上が芋煮の感想.青空の広がる川原で芋を煮たりとか肉を焼いたりとかして,もっと自然に溶け込みTai!「Tai!」とか言っている時点でもうダメだけどな!

・リンク集

 つーわけで,今回は日ごろ思っていることをダラダラ書いて終わりにします.いつもと同じじゃん,っていうツッコミはしないよーに.

 以前,僕がしげゆん主催の「おりかむ」のHPのリンクを頼まれたとき,思わず
 「このHPのリンク集は腐ってます.すいませんすいません.」
 と,顔文字の『m(__)m』の如く謝ったわけですが,実際そうなんで仕方がありません.このHPの管理者(ちっとも管理してないので『管理者』という言葉の響きは非常に気が引けるのだが…….そもそも個人のHPに『管理者』とはあんまり適切ではないと思うのだが)の僕もすっかり忘れていたくらいですから.

 でも,僕のLink集,というより僕の周りでHPが減っていることは確かで,『とある事情によりHPを閉鎖してしまった熱い漢(おとこ)』とか,『この前電話したらかなり元気そうだったけどHPの更新が8月辺りで止まっている渋いHP』とか,結構あります.本人が見てないと思ってムチャクチャ書いてますけど,たぶん本人が見ても笑って許してくれるでしょう,たぶん.

 で,そういう中でやっぱりしげゆんが『おりかむ』という制約条件があるものの,その『仙台泉区の新四号線沿いにあるドンキーの手前にあるこってり味噌のラーメン屋』に匹敵するその濃さっぷりを発揮するHPを立ち上げてくれたのは嬉しい限りなんです.彼の掲示板の濃さっぷりを見ていると「天下一品ラーメン店内にある張り紙『ウチの濃いラーメンがクチにあわない人は他のラーメンとお取替えいたします』」というのをどうしても思い出してしまうわけで.あー美味いラーメン食いてぇー.

 ……それはさておき,しげゆんから直々に「リンク集に加えてくれ」といわれても,ほとんど手の入れてないリンク集に加えてもなんだかなー,というより,ぜんぜん更新しないリンク集に加えてしまうのは本当に申し訳ないと思うわけです.

 そこで,なんで使われていないか,というのを考えました.僕は,一応自分の掲示板は見てますし,他の掲示板も見てます.WWWCというWeb巡回ツールを使って.このツール,秒速20Kしかでない寮の貧弱回線では重宝するんです.なんといっても,日付とサイズだけをチェックするだけなのでブラウザを開かなくてもいいし,開くのは日付とサイズが違っている(つまり更新された)Webサイトだけでいいし…….

 まてよ?このWWWCの機能「日付とサイズだけが違うWebサイトを抽出する」を,Link集で実現できないでしょうか?CGIとか使って.つまり,

サイト名日記掲示板
Caerupyon design associatesupdate! update!
三倍 update! ---
おりかむ --- update!

 といった風に,日記と掲示板の更新情報を一定時間間隔で知らせてくれるLink集(上記例はハメコミ合成です.実際の更新状況とは異なったり,実在しないページもあります).これならダメダメ管理者の僕もちょっとだけマメに更新しようかと思うのですが.

 ………という話を,ソレ系に詳しい友人に話したら「CGIで他のhtml呼び出すのって,難しいんじゃない?日時とサイズをチェックしたかったらコマンドラインで実行するツールがあるからそれ使ったら?」とか言われました.彼にはただ単にWWWCの機能をWebでやりたい,としか伝わらなかったのか…….

 というわけで,リンク集の活用の仕方,または活性化の仕方のアイディア募集…….それと,上記の機能って本当に出来ないのか,マジで意見が欲しいです>識者の方々.


 なんだかんだ言って結構書いたなー.予定では2,3行で終わるつもりだったんですが.


11/19

 過労死していいですか?

 最近,ちょっと忙しくなってきました.残業時間そのものはそうでもないんですが,仕事の内容がちょっと…….例えるなら「桐のタンス」状態.高級な桐のタンスは寸法がピッタリで,ある棚を押し込むと,押された空気圧で今度は別の棚が押し出してくるらしいじゃないですか.で,「桐のタンス」=新しく渡された最新コアプログラム,「ある棚を押し込む」=バグとりっていう状態です.あっちのバグを取ったら今度はこっちのバグが……っていう状態.気が滅入ってきます.

 そういう仕事も一段落し,寮に帰ってきたある日の深夜,そういえば同僚の井伊林(仮名)に渡す物があったなぁと,そいつの部屋に行きました.

 「おーい,井伊林,一ヶ月分のサンデー持ってきたよ〜」
 「おぉ!悪いな,いつもいつも」
 「いやいや.その代わり,マガジンとジャンプもらっていくぜ」

 そう,僕と井伊林は互いの週刊雑誌(主に漫画)を交換するというアライアンス契約を結んでます(笑).こういうことができるから寮はいいなぁと思いつつも,こんなことしてるのは何か間違っているなぁと思ってしまうのですが,その辺の思考回路は意図的にショートさせてます.

 「そうそう,オレこれ買ったんだ〜.ちょっと待ってて.」

 井伊林はそういうと,おもむろに窓際に歩いていきました.そして,窓の下の床に置いてあった細長い黒い筒の何箇所かをパチンパチンと外しました(フックを外したのだろうか?).そして,黒い筒の一部を一気に持ち上げると……そこには,なんとスクリーンが!

 「え?スクリーン?これって,よく学会の発表会とかで使うやつだよね…?」

 もしや!と思い振り返ると,ありました,スクリーンが展開されている窓際のちょうど反対側に液晶プロジェクターが!

 「なっ……液晶,プロジェクター……?」
 「いやーっはっはっは.買っちゃったよ,ついに」
 「でもこれって……ええぇ!?なんで?(錯乱状態)」
 「いや欲しかったから.」
 「でもこれ高いんだろ?50万くらいするんじゃなかったっけ?」
 「うんにゃ.全部で35万くらいかな.」
 「お前アホだろ!」
 「ははははは.」

 もちろんこの場合,「アホ」とは最大級の賛辞です.つーか,六畳一間のこの狭い寮の部屋でホームシアターを実現しようという発想が僕にはありませんでした.そういう意味でこの井伊林はかなりすごいヤツです.

 「はっ……早く何か映そう(興奮気味)」
 「うーん,何がいい?DVDもあんまりたいしたモノが無いんだよね.」
 「『バトル・ロワイヤル』発見です,隊長!オレこれ見てないであります!」
 「あー,それなんだけど,意外に見てない人多くて,今度みんなで見ようって話をしてたんだよね.」
 「うぅむ.ならば仕方が無い.」
 「PS2のゲームはどう?GT(グランツーリスモ)とかあるけど.」
 「そうかゲームか!その手があった!」

 というわけで,スイッチセレクタでゲームの回線に切り替え(この漢(おとこ)はスイッチセレクタまで買ってました),PS2,起動!そしてグランツーリスモ,起動!

 がっ,画面がでけぇ!

 僕は仙台に住んでいた頃,オーディオマニアの坂橋さん(仮名)の家に入り浸っていて,その坂橋さんの家には100インチのテレビが置いてあったのですが,それに匹敵する画面のデカさです.つーか,部屋が狭い分なんだか迫力が増してます.

 「このゲーム,あんまりやってないんだよね.」
 といいつつ,ゲームを起動する井伊林.ダートのコースを選び,そしてクルマはランエボ7を選ぶ.そして,ゲームスタート.スタートラインに並ぶランエボ.そして,その後ろには敵車としてNewインプレッサが.

 そして,スタート.井伊林はああいっているだけあってあんまり上手くなく(笑),それでもがんばって走っているようでした.2週走った後,今度は僕にコントローラーが回ってきました.ターマックのコースを選び,選ぶ車はもちろんVer5型インプレッサワゴンWRX(色はクールグレーメタリック)……といきたいところだったんですがそんな車種は無く,仕方無しにNewインプレッサSTiを選びました.

 スタートラインに並んでアクセルを吹かしながらシグナルを待ち,青になったらスタート!僕はこのゲームはオートマでしかやったことが無いので(マニュアルは面倒なので),かってにシフトアップしていきます.そして,最初の緩やかなS字コーナー,大きな左カーブ,右カーブ…….

 しばらくゲームをしていて思ったのが,「実車みたいだ」っていうことです.このゲームは前からやっていたのですが,「リアルだなぁ」と思ったことはあっても「実車みたい」と思うことはありませんでした(この感覚の微妙な違い,分かりますでしょうか?).なんでそう思うんだろう……としばらく考えながらゲームをしていたんですが,ある考えが思いつきました.

 このゲームをやっているとき,部屋の照明を消して,完全にスクリーンに映るゲームの画面だけを見ていました.そして,なんとのそのスクリーンの大きさが実車のフロントガラスの大きさと同じ位の大きさだということに気がついたのです.暗い部屋の中でフロントガラスと同じ大きさの画面を見ていて,そしてその画面に映る映像がリアルだったため,そう思ったんだと思います.もちろん,普段の運転のときやサーキットを走っているとき,フロントガラスだけを見て走っているわけではないですが…….でも,ほとんどの場合が前を見て走っているわけでして…….

 もう一つ,リアルさを感じたのが画面の揺れです.クルマっていうのは段差なんかを走ると上下に揺れるのは当たり前の話で,その揺れの大きさはサスペンションのセッティングによって硬かったり柔らかかったりするわけですが,僕がゲーム中に運転していたインプレッサと実際に運転しているインプレッサの揺れ方が非常に似てました.っていうか,視覚情報として画面が揺れているのに体感する振動が来ない,っていう感覚のズレのため危うく酔いそうになりました.僕にあの硬いサスペンションの心地よい振動を!(もはや中毒).

 一通りグランツーリスモを堪能した後のこと.
 「次ぎ,なにやる?」と,井伊林.
 「うーん,グランツーリスモで結構満足したしなぁ.」と,オレ.
 「やっぱ,映画観る?これから人集める?」
 「マジ?だって,もう12時回ってるよ?」
 「何人ぐらい集まるかなー.」

 と言いつつ,井伊林は何食わぬ顔で携帯で電話をし始めました.12時を過ぎたら電話をしないのがマナーなのでは……?と思ったのですが,次の瞬間,7〜8人は井伊林の部屋に集まってました.みんな不健康な生活をしてるなぁ(^^;.

 で,結局『バトル・ロワイヤル』上映会.深夜に何やっているんだか.映画の感想はなんだかグチャリ,ドチャリって感じです(謎).確かにR15指定だと思いました.ナイフとかサクサク刺さったりとか,バイオハザードをクリアした後のご褒美のような弾数無限のマシンガンでガンガン打ちまくったりとか,「おなべのふた」なんていうドラクエやっている人のハートをガッチリわし掴みとかそーいう内容でした(たぶん).

 この映画はCMとかでビートたけしが「ちょっと殺し合いをしてもらいます」と言っていたのでたぶん知っている人も多いと思います.中学生が首輪をつけられてハァハァ言う映画です(誤解を招く表現で申し訳ない).で,そのハァハァ言うために一人一つ武器を与えられるのですが,映画の中ではとてもじゃないけど全部の武器を登場させることは出来てません(時間の関係上).でも,DVDには「おまけ」として,登場人物のプロフィールと,与えられた武器が一覧として見られる項目がありました.

 それを見て思ったのが「なんだか拳銃が多いな」っていうことです.まぁ中には「ハズレ」みたいな感じで「“根性”とかかれたハチマキ」とか「拡声器」とかあるわけなんですが,ほとんどの武器が拳銃でした.僕としてはもっとバラエティに富んだ武器が合ったらよかったなぁとか思いました.『ビール瓶(鈍器)』とか『シャーペン(使い方次第)』『ボディブレード(バトル・ロワイヤル中に筋肉を鍛える.頼れるのは己の筋肉のみ!)』『ピアノ線(気分は必殺仕事人)』『ベースギター(逆さにもって叩く)』『釣り竿(念能力と組み合わせて)』『釘バット(マテリアは装備できないが攻撃力は高い)』……

 ……とか.なんだかわけのわからない方向へ進みそうなのでこの辺で止めときます(^^;.

 で,映画を観終わって自分の部屋に帰ったのが午前2時.体が持たないっすよ…….まぁ,次の日は土曜日だったので昼頃まで寝ていたわけですが.でも,平日に疲れてしまって土日に動く気力がなくなるのはちょっと嫌な気もします.


 あぁっ,本当は事業部対抗リレーで走ったこととか書こうと思ったんだが…….なんだかこの話だけで長くなってしまったのでこの辺で.ダラダラ書き始めるとキリがありません.

 本人からクチ止めされているんですが,今日瓜田の家に行ってきました.詳細は伏せます(本人の強い希望により)が,元気そうでした.以上,報告終わり.


11/12

 サブウーファ買いました.YAMAHAのYST-SW105……って書いてもたぶん一部のオーディオマニアな方にしか分からないでしょう.実際僕も型番なんて良く分かりません(^^;.ディスクトップのPCを上から押しつぶしたような大きさで木目調,という僕の部屋にはあんまりにあってない高級感あふれる物です(値段も高級じゃないけど).

 以前買ったDVDレンズクリーナーの中に,その特典としてドルビーデジタル・サウンドロゴ(映画館とかで本編の前に流れるロゴ)が入っていました.それを自宅のサウンドシステムで再生してみたのですが,映画館の時のようなドドドーンっていうのが無く,「こりゃぁサブウーファーを早急に買わねばならなん!」と思いつつも「サブウーファって重いから買って帰るの大変なんだよなー,配送するのもお金か買っちゃうし」ということで買わずにいたのですが,先日立川市街に巨大な駐車場を見つけて,市内で買い物すれば2時間くらいまで駐車料金がタダ,という場所を見つけてこりゃラッキー,つうか買うしかねぇ,今が買いだ!というわけで買いました.

 サブウーファを接続して,ドルビーデジタル・サウンドロゴを流す……渓谷の中をカメラがうねりながら進み,開けた場所に出た瞬間にドドドーン,うっわーすげーサブウーファってうるせぇ!(笑)なんか,部屋全体がビリビリ言っているんですが.カメラは開けた場所に出た後,上を見上げる.すると金色の「DOLBY DIGITAL」のロゴが壁に埋まっているのが見える.そして,低い唸り声のような(サブウーファの)音とともに光が差してきて,「DOLBY DIGITAL」のロゴが金色に輝く…….

 買って良かった.隣の部屋から苦情がきても悔いは無い!(笑)

 その後,友人(同僚)を招いてお披露目,っていうかその友人が最近発売された「スターウォーズ・エピソードT」のDVDを同じ日買ったのでそれを見ようと半ば強引に連れてきたんですが(笑).僕は「エピソードT」は観ていなかったので,新しく買ったサブウーファの試聴とともにそっちの方も楽しみでした.

 で,感想.当時,僕の知り合いの人は口を揃えて酷評してましたが,そんなに悪い映画じゃないと思いません?つーか,普通に面白かったです(「普通じゃダメだ」なんていう意見も飛んできそうだけど).ポッドレースとか結構迫力あったし(でも,音がF1の音をそのまま使っているのはどうかと思った.ジェットエンジン使っているのに何でレシプロエンジンの音がするんだ?).スターウォーズシリーズの定番,ライトセイバーもウーファのおかげでブォンブォン〜キシッ!キシッ!ブォン〜ってな感じでした.

 でも,ウーファって置くとこ困りますよね.この狭い部屋の何処に置けばいいんだか…….

 そのウーファー買いに行ったとき,ちょっとした事件が起きました.車って,鍵をかけておいてもダメな時があるんですね.僕も警報装置をつけようと心に決めました.心に決めただけでまだ買ってないですが.

・赤い回転灯の下の黒いネコ

 雨の土曜.僕と友人の船木(仮名)は立川にクルマで行こうとしてました.普段,車を使っていく用事っていうのはどっかの河原で芋煮会とか,遠くの湖までドライブとかっていう,どちらかっていうと街中ではなく遠くの自然があるところに行くことが多いのですが,今回は船木が「立川の真ん中にでかい駐車場がある」ってな事を言い出したため,その噂は本当かどうか確かめるためと,船木がどうしてもエピソードTのDVDが欲しいけど雨が降っているから自転車に乗りたくない,車を出してくれ頼む,つーことで車で立川に行くことになりました.

 寮のロビーで船木と待ち合わせ.船木と待ち合わせをすると大体ものすごく早く着いているか,まったく来る気配が無いかどっちかだ.今回は後者だった.まったく来る気配が無い.まだ寝ているのかと思い「おーい,やっほー」と,わかる人ならたぶんわかるメールを入れてみる.

 メールを送信したのと同時に,船木はやってきた.
 「悪ィ.風呂に入ってた」
 そういうといきなり新聞を読み始める.いや,もうだいぶ時間が経ったから出発しよう,と僕が言うと渋々新聞をテーブルに置き,ロビーを後にした.

 寮の出口に行くと,予想通り雨が降っていた.
 「なんか,『雨ー』っていう雨が降ってるな」
 「あぁ.『雨ー』だな.」
 という謎な会話をしながら傘を差し,駐車場に向かう.僕の車が止めてある駐車場は寮から歩いて5分くらいだ.途中,リモコンエンジンスターターでエンジンをかける.
 「えぇ!?こんな所からもエンジンかかるの?」
 と,船木がまるで深夜の通販番組のようなお決まりのリアクションをしてくれる.寝起きだった僕はたいして気の利いた返事も浮かばず,あぁ,そうだよと生返事をした.

 駐車場に到着した.自分の車がエンジンがかかっている.エンジン音からすると,まだアイドリングは終わっていないようだ.ふと横を見ると,同僚の三村の180SXが目に入ってきた.三村もまた,僕と同じように学生時代車に乗っていて,就職してこっちまで車を持ってきたクチだ.
 「おい船木,あの車(180SX)が三村(仮名)の車だ」
 「へー,2ドアなんだ……ってあれ?なんかドアが半ドアじゃない?
 よく観ると,そのとおり助手席側のドアとボディには段差が出来ていた.閉め忘れだろうか?
 「ホントだ.なんで半ドアなんだろう?」
 「あと,助手席のドアの下のところに何か落ちてない?」
 「…?なんだろ?あれ.」

 近寄って『それ』を覗き込む.助手席のドアの下に落ちていたのはなんと車の整備手帳だった.もちろん,整備手帳は雨に濡れてぐっしょりだ.
 「なんで整備手帳がこんなところに?」
 ふと,車の中を覗き込むと,中のオーディオ類が取り外されていた.それを見て僕は
 「分かった.三村のヤツ,オーディオを取替え中だったんだ.それで,その作業中に整備手帳とか落っことしたんじゃないかな」
 「カーオーディオって自分で換えられるんだ」
 「一応,説明書読めば誰でもできるよ」
 でも,何をそんなに慌ててオーディオを換える必要があったんだろう?とボーッと車の中を見つめていた時,ある考えがひらめき,急いで助手席側の鍵穴を覗き込んでみた.

 案の定,鍵穴は普通の鍵が入るよりも2倍くらい大きく広がっていた.たぶん,何か大きな力をかけて無理やり鍵穴を回したんだろうということが推測される跡だ.
 「あぁ………やられてる,これ,車上荒らしだわ.」
 「え?オーディオ換装中じゃなかったの?」
 「鍵穴見てみー」
 「………ホントだ.じゃぁ,やっぱり本人に知らせた方がいいんだよな?」
 「三村の連絡先知ってる?」
 「知らねー」
 「……オレも知らねー」
 ひとしきり二人で考えた後,とりあえず今は買い物を優先させて,帰ってきたときに三村にあったらその時に話そう,という事で意見が一致した(ヒデェ).

 *

 買い物が終わり,僕の新しく買ったウーファでエピソードTを見終わったあと,晩飯を食べようと船木と外出しようとしたところ,偶然にもロビーで新聞を読んでいる三村を発見した.
 「あーっ!居た!お前の車,マズイ事になってるよ」
 「え?何の話?」
 僕と船木が事情を説明していくにつれ,三村の顔から血の気が引いてだんだん青ざめていくのが見て取れた.言わない方が良かったのかも,と思いつつも言わないほうがもっと良くない,と思い話しつづけた.

 一通り話し終わった後,三村は当然ながら自分の車がどうなっているかこの目で確かめたい,と言ってきた.僕らは晩飯を食べに行く予定だったが,成り行き上,三村を一人にするわけにもいかず,同行することにした.

 駐車場に着いてみる,もう辺りは真っ暗だった.そこで,僕の車に積んである懐中電灯で照らそうとしたが,如何せん長いこと使ってなかったので細々とオレンジ色に光るだけだった.そこで,2,3回懐中電灯をガチャガチャやると不思議なことに光が少々増した.その頼りない光で,3人で180SXの鍵穴を覗き込んでみる.

 「ほら,よく観てみ」と,僕が言い,懐中電灯を三村に渡す.
 「あぁ,ホントだ.やられてるわ」
 自分の車を確認し,さらに三村は落ち込んだように見えた.でも,見ているだけじゃ始まらない,この後どうしようか,という話になった.

 「やっぱ,警察かな?」と,三村.
 「普通に考えたらそうだよな」船木が相槌を打つ.
 「とにかく,一度だれかこういうことに詳しい人に一度相談するのが良いんじゃない?」
 と,僕は言ってみたものの,こういうことに詳しそうな人物なんてそうそういない.寮の先輩に車のパーツとかサーキットに詳しい人がいるが,これ系の話をしたことが無いのでその先輩が詳しいかどうかも分からない.しかし,僕には唯一の心当たりがあった.仙台に住んでいた時,こういう話に何故かものすごく詳しく,僕も大変お世話になった坂橋さん(仮名)だ.早速,連絡をとってみた.

 「もしもし?お久しぶりです」
 「おー,久しぶり.どしたの?」
 「実は…………というわけなんですけど,どうしたらいいと思います?」
 「うーん,やっぱり警察なんじゃないかな.チャリンコでさえ盗まれた時でも警察に知らせるからね.今回も一応盗難ということなんじゃないのか?」
 その後,一言二言近況を報告しあい,電話を切った.僕は『チャリンコでさえ盗まれた時でも警察に知らせる』という一言に妙に納得し,三村に警察に電話をすることを勧めた.

 「……オレ,携帯電話で110番するの初めてなんだけど.」
 「そりゃ,僕だってやったことが無いよ.いいから電話しろって.」
 「110番って1,1,0で良いんだよな?」
 三村はだいぶ混乱しているようだ.無理も無い.電話をかけて現在地を知らせると,20分後くらいにあの赤い赤い回転灯をつけた黒と白のツートンカラーの車が到着した.

 中から,えらく恰幅の良い警官と,メガネをかけた如何にもまじめそうな警官の2人が出てきた.そして,雨の振る中現場検証が始まった.
 「被害の車ってコレ?」
 「ハイ,そうです.」
 「盗られたものが何かってわかる?」
 「ええとですね………」
 長くなりそうな気配だった.途中,僕に見つけた状況を聞いてきたが,僕は見た通りのことしか話さなかった.僕への質問が無くなり,ヒマだったので被害にあった車の鍵穴を見ていると,恰幅の良い警官が話し掛けてきた.

 「このやり口,たぶん“子供”だよ」
 「へー,そうなんですか.」
 子供,という単語が文字通りの子供という意味ではないことは分かったが,それは聞き返さなかった.
 「プロなら,こんな風に鍵穴をこじ開けたりしないんだよ.それに,プロだったらまず証拠を残さない.発見した時,半ドアだったでしょ?」
 「はい.」
 「プロだったらまず,発見されにくいようにするんだよ.」
 その後も,犯罪の手口についての話が続いた.ここの駐車場は暗くて人通りも少ないから,結構狙われやすいとか,君もここに車を置いているなら,警報機をつけたほうがいいとか,警報機は結構値が張るが,それが安いか高いか,っていうのは本人次第だとか.

 三村はパトカーに乗って調書を書いているようだった.すると,僕のそばにあの黒猫が寄ってきた.
 「ニャーン」
 一声鳴くと僕の足に体を寄せ付けてきた.僕の周りを2周くらいすると,今度はその恰幅の良い警察官に体を摺り寄せに行った.その警官は黒猫のアタックに不意を付かれたのか,体を摺り寄せられた瞬間「うわっ」と声を上げた.そして,僕の方に話し掛けてきた.
 「君は,犬とネコ,どっちが好き?」
 僕は犬,と聞いて数年前自宅で飼っていてもう死んでしまったチビのことを一瞬だけ思い出した.僕はどちらかというと犬の方が好きだ.しかし,今そのことを話すと面倒な気がした.
 「今は……ネコのほうが好きですかね.」
 と,お茶を濁しておいた.
 「オレも猫が好きなんだけど,毛がつくのがねぇ.」
 そういう世間話をしていると,三村がパトカーから降りてきた.調書が終わったようだ.

 その後,警察官はパトカーに乗って去り,僕ら3人がその場に残された.このまま,三村の車の中に何かを置いておくのは非常に危険な気がしたので,車の中のものを自分の寮の部屋に持っていった.そして,その後遅い夕食を食べに行った.時刻はすでに12時を回っていた.

 その時の食事はうどんを食べた.食べているあいだ,犯人はどんなヤツだとか,僕が発見した時のことを詳しく話したりした.また,これからどれくらい修理の金がかかるんだろう,という話もした.

 食事も終わり,寮のロビーに返ってきて,今日は解散しよう,ということになった.僕は帰り際,三村に声をかけた.
 「これから修理とか保険とか大変だと思うけどがんばれよ」
 「あぁ.今日はどうもありがと」
 帰り際に見た三村の顔はとても疲れているように見えた.


 長げー(^^;.


11/6

 モーターショー!

 つーわけで行ってきました第35回東京モーターショウ.有給休暇をとって平日に行ってきた,なんていうと「フザケンナ!お前が遊んでいるあいだオレは仕事してたんだゴルァ」と,同僚から非難されそうなんですが,マジで有休とって行ってきました.

 いやー,有休っていいですよねー,なんか学生に戻ったみたいで

 でも,思うに僕は学生時代にも有休を取っていた(自主的に)ので,有休というのは人生において必要不可欠な休日なんじゃないでしょうか.「ボードに行くから研究室サボる冬の時期に風邪を引いたから大事を取って休む」とか「レースがあるから研究室サボる体調が悪いので英気を養うために休む」なんていうのは『しょっちゅう』ではなく『たまに』やっていたわけで,その頻度は今現在僕が使用可能な「一年のうち,有給休暇20日」より確実に少なかったと思います(たぶん).

 つーわけで今度からちょくちょく有休とろうかと思いました.学生のときと違って堂々と休めるのがいいですよね.

 でも,あんまり取りすぎると有休が無くなる前に職が無くなりそうです(笑).

 ………いや,あんまり笑えねーな,今の時期.

 それはさておき東京モーターショウです.簡潔にダラダラと感想をまとめるとこんな感じ.これから見に行く人(僕の知る限り茶摘みしかいないけど),参考にしてください.

 なんだか偏った情報になってしまったけど,気にするな!(笑).最初全部のブースのおねーちゃんについて書こうかと思いましたが,とても濃い内容になってしまうので止めました.見たい方は自分の目で見てください(といっても後2日で終わりだけど).

 んで,以下各メーカーの詳細.西側ゲートから入って順路に沿って見た順です.

・FIAT(フィアット)

 特にコンセプトカーみたいなモノは無かったけど,フィアット・バルケッタ,フィアット・プント・アバルトが展示.黄色いアバルトはかなり目を引いた.

・Renault(ルノー)

 ルノー・スポーツ(だっけ?詳しい名前忘れた…)が展示.ハッチバックのくせにミッドシップレイアウト,さらにV6 3000っていうバケモノみたいな車.フェンダーの張り出し方が『んもぅ!』って感じ.

・BMW

 高級車とスポーツカーしか展示してません.BMWはいつでも強気.高級車の方はさっぱりだが,スポーツカーは分かった.318Tiというクーペがかなり気に入った.財布が許せば,そして日本の道路事情が左ハンドルにやさしくなれば買うのだが.

 あと,ド派手な「Mシリーズ」も展示.また,BMWをチューニングしたアルピーナも車両を展示していた.

・Ferrari/Maserati(フェラーリ/マセラティ)

 泣く子も黙るフェラーリ.展示車両は360モデナ(赤)と550マラネロ(黒).モデナの赤がかなり人目を引いていた.マセラティは……スマン,わからん(笑).オープンカーが展示.

・Daimler Chrysler(ダイムラー・クライスラー)

 クライスラーの一押しはPTクルーザーらしい.スタンダードなPTクルーザーとPTクルーザーのコンパーチブルを展示.幌馬車の幌を外したようなコンパーチブルだった.

・Porsche(ポルシェ)

 911はすげぇの一言.ボディのラインとか,冷たいシルバーの色とか,そしてちらりと見える赤いブレンボのブレーキとか.

・Hyundai(ヒュンダイ)

 謎のクーペ(赤)を展示.運転席に座ってみたが,なんか良さそう.でも,詳しいスペックはぜんぜん分からず(駆動方式とかエンジンとか).車のパンフレットと一緒に「2002ワールドカップ」のパンフレットを渡される.

・Audi(アウディ)

 笑ゥせぇるすまんの喪黒福三が居た(漢字違うかも).もちろん,アウディTTクーペのことだが.相変わらず人気だ.

・Citroen(シトロエン)

 うーん,高級車ばっかりであんまり見れなかった.敷いて言えばプジョー206のシトロエンバージョンのC3か.

・Lamborghini(ランボルギーニ)

 ここは黒山の人だかり.スポーツカーブームを彷彿とさせる車が展示(名前は分からず).黄色い車だった.スペックを見たら,580馬力とかでてるそうな.空飛べるね.

・Rolls-Royce(ロールス・ロイス)

 近寄れない(高級すぎて).

・Volkswagen(フォルクスワーゲン)

 目を引いたのはNewビートルのレース仕様車.丸い車がコテコテにチューンされるとなんだかかっこよく見える.あとは時速340kmに挑戦した車を大音響を交えて展示.

・Peugeot(プジョー)

 もちろん目玉は307.206の兄貴分って感じ.また,206ラリーも展示.かなり威圧感があった.カラーリングが歌舞伎役者みたいだ.

・Lotus(ロータス)

 ニューエリーゼ,ボンネットが『エグイ』という形容詞が一番なほど変形していた.生物のようだ.

・光岡(ミツオカ)

 派手な大蛇がいた.

・SUBARU(富士重工)

 冒頭にも書いたように,実寸大の透明のレガシィが宙を舞っていた.その他,ブリッツェン2とかポルシェチューン・インプレッサワゴンとか.今回の目的はこれを見ることだったのでかなり満足.

・GM(ゼネラルモーターズ)

 キャデラックがでかい.コルベットもでかい.

・Opel(オペル)

 すんげぇスポーツカー(つーかレース車両)が展示.基はアストラらしいが.

・Saab(サーブ)

 相変わらずインパネが縦置き.高級車でもそれは同じ.そんなところが好き.

・いすゞ

 なんか,未来の移動ソフトクリーム屋が展示してあった.

・スズキ

 説明員のおねーさん方のパフォーマンスに大爆笑.それ以外は記憶に残ってない.

・ホンダ

 平日にもかかわらずすげー人.やっとの思いでNSX-RとNewシビックTypeRを見る.アシモが見れず.残念.

・三菱

 ランエボ7WR仕様が展示.あと,「なんとかターマック」という車が展示してあった(ターマックは舗装道路の意味).将来アレでターマックのレースをするのかと思うととても不安だ.

・トヨタ

 F1参戦を結構前面に出していた.おねーさん方のセクシーダンスが良い.シェクシー!シェクシー!

 あと,Podが泣いているところと怒っているところを見る.写真で見るとは違い,ホントに表情があるように見える.特に,「眠い」表情は本当に眠そうだった.

・ダイハツ

 トヨタのスポーツカーとダイハツのコパンを一緒に紹介するイベントの際,万博博覧会を思い出させる立体メガネを掛けさせられたが,イマイチ立体に見えなかった.あの頃の感動をもう一度!

・日産

 GTRが変.でも,テールランプが4灯になっていたので一安心.フェアレディはあのまま売ったらかなり買う人がいそうだ.

・Jaguar(ジャガー)

 発音は「ジャガー」ではなく「ジャグワー」らしい.

・Land Rover(ランドローバー)

 車の上に迷彩服を来たワイルドねーちゃんが!

・Aston Martin(アストンマーチン)

 アストンマーチンの車って必ず「DB」って付くのは,誰かの名前らしいッスよ.

・Ford(フォード)

 フォードといえばフォーカスWRC.あと,復刻版サンダーバードが妙にかわいかった(目が).

・Volvo(ボルボ)

 最近のボルボは四角くなくて残念だ.

・マツダ

 RX-8が締めっていうのはかなり贅沢だ.意外にマッチョ(フェンダーが).


 一部,コメントが投げやりです(笑).申し訳ありません.

 読む方はかなりうんざりしていると思うでしょうが,書くほうはもっと大変です.っていうか,見ること自体結構大変でした.車種とメーカーが多すぎっすよ…….

 実は,これ以外にもパーツメーカーを覗いたりしていたんですが,都合により割愛.一言いわせてもらえば「ナビが欲しい」.


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