症例3 脳静脈洞血栓症スナックに勤めている28才の女性が、路上で突然けいれん発作を起こし、救急車で運ばれました。激しい頭痛、全身性のけいれんを認めました。CTスキャン上、明らかな病変を認めず、単なるてんかん発作かと思われました。しかし、意識障害が遷延し単なるてんかん発作ではないと思われましたので、MRIを撮りました。MRI上、上矢状静脈洞(頭のてっぺんにある大きな静脈)に血栓を認めました。このため、頭蓋内圧が上がって症状が出たものと思われました。
この28才の女性は、スナックの仕事中アルコールばかり飲んでいてあまり食事をしていませんでした。また、ここ1週間は、風邪症状があるにもかかわらずほとんど食事をせずに仕事を続けていました。高熱もあったようです。高熱で脱水状態にあるにもかかわらず、仕事を続け、アルコールを飲み続けたために静脈内で血栓ができた可能性が高いと思われました。
この静脈洞血栓症と言う病気は中耳や副鼻腔の炎症が波及する事が多かった様ですが、最近では脱水やピルの服用等の他の原因のものが多い様です。このような若い女性でも起こる可能性があります。また、ひどいときは運動障害、感覚障害、半盲、失語症等の後遺症を残す可能性があります。みなさん、脱水にはご注意を!!