おっさんのつぶやき18

救急外来実話(アホなやつ編)

私が救急当直をしていたころの話です。

実に面白いというかアホというか変わった救急処置をした患者さんを紹介しましょう。

ほんと、世の中アホがいる。

第1話

股間に熱湯かけた高校3年生

高校3年生のY君は、大人と同じで毎日ヒゲを剃らないといけないお年ごろになりました。
冬のある日、洗面所で電気ひげそりでヒゲを剃ろうとしましたが調子が悪い。
どうやら壊れたらしい。
仕方なく、風呂に入るとおやじさんが使ったと思われるT字カミソリがあった。
潔癖症のY君はそのまま使うのは汚いと思い洗面器に熱湯を入れその中にカミソリを投げ込みました。
熱湯消毒してから使わんとおやじの病気がうつると思いました。
湯船につかり1曲鼻歌唄い洗い場にもどりました。
そして、いつものようにいきなり洗面器を股間にジャバ〜
Y君は一瞬何が起こったかわかりませんでした。
ほどなくして、状況がわかりました。
「うわ〜、あっち〜 あっち〜 わ〜」
瞬間はあまり痛いという感じではなく感覚がわからない状態でした。
しかし、股間を見るとみるみるあそこが真っ赤に腫れ上がってきました。
シャワ−で水をかけて冷やしましたがだんだん痛くなり、我慢ができなくなりました。
「オレ、子供ができんのかな〜 しっかり冷やさないとな〜」 
そのうちみるみる小さくなってきました。 
「やべ〜 やけどして退化してる。やっぱ子供ができね〜 どうしよう・・」
そう思うといてもたってもいられず 
フロを飛び出し、両親に言いました。
「おれ、ちんちんやけどした。」
それを聞いた母親は気が動転して救急車を呼び、救急外来に運ばれました。
私は喘息患者さんの診療をしているところでしたが、
看護婦さんからやけどの患者さんを診るように言われその患者さんのところへ行きました。
「どこやけどしたんですか?」と私がたずねると、「あの、ちんちんを・・・」
「えっ。そこだけ?足は?」
「はい、そこだけです。」
私はどうやったらそこだけやけどするのかと思いましたが、
「じゃあ、見せてもらえます。。」と言いました。
「先生、おれのちんちんやけどで退化したみたい。小っちゃくなった。」
そういってもじもじしてるので、
ちゃんと見せなさいといって診察ベッドのうえに裸になって仁王立ちになってもらい、
ライトをあてて看護婦さん3人、母親、みんなでじっくりとのぞきこみました。
しかし、やけどしてからけっこう時間が経っており、
すでに症状は落ち着いて腫れや赤みはとれてきていました。
本人はやけどで退化したといって騒いでいましたが、
これは水かけたからおちんちんがちじんだだけのことでした。
これを説明すると本人はベッドの上でちんちんを出したまま、ほっと胸をなでおろしていました。
しかし、高校3年生になってみんなの前で素っ裸になりライトをあてられ
ちんちんをまじまじとのぞきこまれたY君は恥ずかしさのあまり
しばらく立ち直れなかったということです。
わざわざ救急車にのってくるほどのことはないのに、
ちんちんが退化したと思い込んだためにパニックになってしまったようです。

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