おっさんのつぶやき2

2.親といっしょに暮らすということ

最近、私の業界では介護保険の問題で何かと忙しい。
見切り発車の保険で、実をいうと主治医意見書なるものを書かなくてはならない
我々医師もまだ保険の中味についてはよくわからない。
一人暮らしの人も、たくさんの家族がいる人も同じ土俵の上で審査され、
いかに手がかかるかという基準だけで保険の金額が決まる。
コンピューターがはじき出す点数だけで決められてしまう。
一人暮らしの人は、家族がいる人より多くの公的介護を受けられるように
すべきではないかとも思う。
この問題は今後もいろいろと議論されてしだいに良い方向にいくのではないかと思うが、この介護の問題で我々医師がよく相談を受けたりすることに親との同居の問題がある。
脳卒中になり軽い麻痺が残ったためそろそろ親と同居しなければならないが
どうしたものだろうかとか、両親ともかなり高齢になってきたので二世帯住宅の
新築を考えているなどの相談を受けることがある。
しかし、これらの相談をしてくる人たちは、
親の面倒を見るといった肩肘張った考えでゆとりの無いことが多い。
こういう考えではなかなかうまく行かないし、
せっかくの同居が堅苦しくて辛いものになってくる。
親といっしょに暮らすということは人間本来の暮らし方にあった
自然の姿ではないでしょうか。
もっと自然に、普通に親と暮らしてはどうだろう。
いっしょに暮らすことは、いっしょに住むこととは違う。
近所の家やアパートに住んでいてもいっしょに暮らすことは出来るはずである。
いつも顔を合わせたり、電話をしたり、食事によんだり、
お互い助け合って行くことが大切だと思う。
親が元気なうちからこういう暮らし方が出来ていると、
親の体が弱ってからでもどうすればよいか工夫が出来る。
親の体が弱ってからさあどうしようかでは遅すぎる。
日ごろ親と楽しく暮らしていればいざというとき困らないと思う。

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