第115回

風邪症状のあと血痰がでて病院を受診した62才女性

01.2.12

62才女性が血痰と咳で外来を受診されました。風邪症状が長引き2〜3週間微熱、咳、痰が続きました。血痰が出てくる様になり心配になって病院を受診されました。胸部レントゲンで異常陰影を認めましたので、CTスキャンを撮りましたところ左の下葉に無気肺(肺に空気が入っていない状態)を認めました。こういった無気肺の原因としては気管支の中に癌が出来ていることがよくあります。癌が気管支を閉塞して空気の出入りが出来なくなり無気肺になることがよくあります。このためこの患者さんも肺癌を疑い気管支鏡検査を施行しました。すると左の下葉に行く気管支のなかに痰が詰まっていました。この痰を気管支鏡で取り除きましたところ、2週間後のCTスキャンでは異常陰影が消失しました。肺癌を覚悟しましたが単なる痰の詰まりによる無気肺であることが判明した症例です。無気肺が消失してからは症状はほとんどなくなりました。

CTスキャン

左の下葉に無気肺を認める。


気管支鏡後のCTスキャン

無気肺は消失している

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