第126回

小腸クロ−ン病にて治療中に肺異常陰影を認めた44才男性

01.4.22

小腸クロ−ン病の治療中の44才男性が胸部レントゲン上左肺に異常陰影を指摘されました。実はこの男性は7年前に肺結核で6ヶ月間入院治療を受けた病歴がありました。さらにクロ−ン病のためステロイドという治療薬を内服していました。この薬は免疫力を落とすため治癒した結核が再燃する可能性がありました。胸部異常陰影の精密検査の目的で私の病院にCTスキャンの紹介となりました。CTスキャン上結核特有の空洞の周囲に新たに結核の再発所見を認めました。今後クロ−ン病という病気の治療と結核の治療を同時に併行して行なわなければなりません。クロ−ン病に良く効く薬が結核を悪化させる可能性があり、今後の治療は苦労しそうです。

CTスキャン

左肺の上部に空洞及び結核の再発像を認める

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