71歳女性が検診で胸部異常陰影を指摘されました。
精密検査のため私の病院に紹介されました。
CTスキャン上、心臓の陰影に重なり腫瘤陰影を認めました。
よく見るとこの陰影のなかには空気、脂肪、腸管の陰影が含まれていました。
これは腫瘍ではなく正常の腹腔内の正常構造物が横隔膜の穴から胸腔内(心臓の後ろ)に出てきたものと判断されました。いわゆる横隔膜ヘルニアです。おそらく食道の通り道から腹腔内の内容物が胸腔内に出てきたものと思われました。これは全く問題なく、そのまま放置してかまわないものです。結局この71歳の女性は縦隔の腫瘍を疑われましたが、心配いらない横隔膜ヘルニアでした。
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