第146回

カゼ症状で受診し下腹部の腫瘤を指摘された28才女性

01.6.22

カゼ症状で受診し下腹部の腫瘤を指摘された28才女性

28才女性のYさんは咳、吐き気、下痢の症状があり近くの医院を受診しました。そこで診察の時下腹部におおきな腫瘤を触知しました。超音波上やはり骨盤腔に嚢胞性腫瘤を認めました。私の病院にCT検査目的で紹介されました。
CTスキャン上脂肪成分を含む大きな骨盤腫瘍でした。石灰化、軟部組織を含んでいました。これは卵巣の奇形種の可能性が高いと思われます。脂肪成分を多く含む嚢胞性腫瘍でほとんどが良性です。石灰化は歯牙で軟部組織は髪の毛であることが多いようです。
卵巣原発の奇形種は若い女性によく見かけます。この方もほぼ間違いなく奇形種と思われますが、まれに悪性もあり、MRIの検査が予定されました。
また、独身の28才の女性であり今後妊娠出産に対処出来る様にして手術を検討しなければなりません。

CTスキャン

骨盤内に脂肪成分がほとんどの嚢胞性腫瘤を認める

中心部に軟部陰影を認める・・髪の毛かもしれない


CTスキャン

腫瘍の一部に石灰化を認める

歯牙などであることが多い

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