第162回

頭痛眼痛があり近くの眼科を受診した19歳の女性

01.8.26

19歳の女性が頭痛眼痛があり近くの眼科を受診されました。
眼科的には異常所見を認めず、私の病院に受診されました。
CTスキャン上左上顎洞炎(腹鼻腔炎・・・いわゆる蓄膿症)を認めました。
頭痛の原因はこれだと思われました。
これは抗生物質にて治療することになりました。

しかし、CTスキャン上もう一つ異常所見があったのです。
それは下の写真のように右の側脳室下角付近に低吸収域(黒っぽい部分)を認めました。
脳腫瘍も否定できずMRIで精密検査をしました。
MRI上やはり脊髄液と同じ信号パタ−ンで、造影検査でも造影されませんでした。
結局、存在場所、性状、造影されないことからこれは脳腫瘍ではなく、
choroid fissure cyst(コロイドフィッシャ−シスト)という良性の嚢胞で病的意義はなしと判断されました。
この嚢胞はまれですが偶然発見され脳腫瘍などの重大な病気と間違えられる事があります。

それにしても悪い病気じゃなくよかったです・・・・・


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