第164回

妊娠中頭痛ふらつきで発症した26歳女性

01.8.28

妊娠中頭痛ふらつきで発症した26歳女性

26歳の女性が妊娠中頭痛ふらつきが出ました。
産婦人科から精密検査の依頼がありMRIを撮りました。
MRI上、脳幹部(脳橋というところ)の右側に出血を認めました。
この患者さんは高血圧症もなく、古い出血も混在していることから、これは高血圧性脳出血ではなく海綿状血管腫という血管の奇形から出血したものである事が判明しました。
今回頭痛ふらつきが出たときは再出血したものと思われます。
出産は通常分娩では血圧が上がり危険ではないかと考え、なるべく帝王切開をしたほうがよいのではないかということになりました。この病気は少しずつ出血を繰り返す事が多く存在場所が悪いと神経症状を出す可能性があります。出血を繰り返す場合手術される事もあります。
この女性は無事に出産できればいいなと思います。

MRI  T1強調画像

脳幹部に高信号(白い部分)を認める

出血の所見です


MRI 古い出血がよく分かる画像

古い出血は黒く見える

周囲に古い出血が存在する

出血を繰り返している証拠

もどる