第178回

自宅で意識消失発作が起こった84才女性

01.10.10

自宅で意識消失発作が起こった84才女性

84才の女性が自宅で意識消失発作を起こし、転倒胸椎圧迫骨折を起こしました。
整形外科にて治療中ですが意識消失発作の原因精査のため私の病院に紹介になりました。
MRI上、頭蓋内動脈の動脈硬化、小さな梗塞の散在を認めましたが、意識消失発作の原因とは言い切れませんでした。
脳梁膨大部のすぐ背側部に 3、5 cm ほどの腫瘍を認めました。
造影剤により強く増強され、脳実質外の腫瘍と考えられました。
おそらく髄膜腫と思われます。
この腫瘤は直静脈洞やガレン大静脈を圧排しており、今回の意識消失発作の原因かもしれません。
しかし、腫瘍が良性であり、患者さんがご高齢ですので、このまま経過観察することになりました。
意識消失を繰り返すときは、この腫瘍が原因であれば治療も検討されると思います。


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