第181回

殴られたような激しい頭痛を経験した40歳男性

01.11.25

40才男性が頭痛を心配して来院しました。
実はこの男性は2〜3ヶ月前、殴られたような激しい頭痛を経験しました。
その後徐々に症状はとれましたが心配になり私の病院を受診されました。
来院時は全く症状はありませんでした。
CTスキャン上、明らかな所見は認めませんでしたが、よく見ると左の頭頂部にやや高吸収域(白っぽく見える部位)を認めました。
MRIで精密検査をしました。するとなんとCTで軽度の異常を認めた部位に一致して異常血管を認めました。
MRA(MRIを使った血管撮影)でみるとやはり左の頭頂部に異常血管を認めました。
これはAVM(動静脈奇形)というものでくも膜下出血の原因となる恐い血管奇形です。
おそらくこの男性は2〜3ヶ月前の激しい頭痛はくも膜下出血が発症し、たまたま止血したものと考えられます。
結局、精密検査の結果、手術ではなくガンマナイフで治療することになりました。

CTスキャン

↑の部位がやや白っぽく見える


MRI T1強調画像

↑の部位に異常血管を認める


MRA でみるとAVM(動静脈奇形)でることがわかる

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