先日、胃癌でなくなったKさんが、私と2人きりの時に私に残した言葉です。
先生、私はいま「死」に向かって歩んでいます。
この世のだれにもわからない「死」を、私は恐れてはいません。
「死」への不安を思い煩ってもいません。
もうすぐ「死」がくることに対して、心が萎えてもいません。
私は、体は病んでも、心まで病んではおりません。
人は、あるがままに生きねばなりません。
私は、「死」に向かって歩んでいる自分の現状を受け入れて生きています。
ただひとつだけ心残りは、傷害を抱えた妻を残したまま逝かなくてはならないことです。
あいつには苦労かけたから、もう少しささえてやりたかったな〜。
先生、妻をよろしくお願いしますよ・・・・
・・・・数日後、Kさんは静かに息をひきとりました。
痛いとも、苦しいとも言わずに・・・