診療日記
第1回で書いた黄疸のFさんですが、
無事手術が終了して戻ってこられました。
ERBDチュ−ブ(内視鏡を使って十二指腸から総胆管の中まで挿入するチューブ)がうまく入らず、
PTCDチュ−ブ(外から肝臓を直接刺して胆管の中の胆汁を抜くためのチューブ)にて減黄処置をせざるを得ませんでしたので心配していました。
結局、閉塞性黄疸の原因は総胆管の末端にできた総胆管癌でした。
80歳近い高齢であり以前脳動静脈奇形の手術もしていることから、
手術に踏み切るか悩みました。
しかし、末端の総胆管癌は予後が良いことが多く思い切って手術してもらいました。
手術所見は極めて早期の癌でした。
リンパ節転移などもなく、根治手術が出来たようです。
術後、横隔膜下膿瘍(膿がたまること)を併発し、
治療目的でまたチュ−ブを挿入しなければなりませんでしたが、
がんばって治療を受けていただけました。
黄疸もすっかりひいて元気に戻ってこられました。
高齢で、肝硬変もあり、あとどれくらい生きられるかわかりませんが、
残りの余生を元気に苦痛なくすごしていただきたいと思いました。
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