第53回

比較的急速に痴呆様症状で発症した74歳男性

00.8.25

症例53

比較的急速に痴呆様症状で発症した74歳男性

74歳男性の Hさんは3月20日頃より、人の名前が読めない、書けない、
今言ったことをすぐ忘れる、着火マンでスト−ブをつけた後、電気ごたつをめくって着火マンで火をつけようとする
等の行動異常が出てきました。
明らかな麻痺などの症状は認めませんでした。
4月5日家族に連れられて受診されました。
MRI 上、左の側脳室というところに6cmの大きな腫瘍を認めました。
この腫瘍は脳室内にありましたが、周囲の脳実質に著明な浮腫を認めました。
5月1日 S病院で脳腫瘍の摘出手術を開始しましたが、
術中の病理検査で極めて悪性度の高いglioblastomaという腫瘍である事が判明し手術は中止されました。
余命は2〜3ヶ月と判断され療養型の病院に転床となりました。
残念ながら何の治療もしてあげれませんでした。

左の脳室内に造影剤で強く増強される(白くなる)

巨大脳腫瘍を認める


同じく前額断画像

脳室内腫瘍を認める


MRI T2強調画像

脳室内腫瘍と周囲の浮腫(周囲の白い部分)を認める

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