第4回で書いた
Sさんが今日亡くなりました。 4月ひどい黄疸がでましたが、ERBDチュ−ブという管を挿入することによって 黄疸が改善し元気に家庭復帰されました。 しかし4ヶ月後、残念ながら再度黄疸が出現しました。 ERBDチュ−ブの入れ替えを検討しましたが、チュ−ブを膵臓癌が巻き込んでおり、 十二指腸にも膵臓癌が顔を出している状態でもうどうすることも出来ませんでした。 自然の経過で様子を見て痛み苦しみに対してのみ治療する事にしました。 徐々に黄疸が進みましたがひどい痛み等は出ませんでした。 末期癌は医療の敗北を意味し、この状態では我々医師は残念ながら何もしてあげれませんでした。 痛み苦しみが思ったほどひどくなく最後もきれいな顔で 安らかに息をひきとられました事がせめてものすくいでした。 末期癌の患者さんの最後をみるときはいつも思います。 現代の最新医療というものがいかに無力か・・・・ 人間の命に対して医師としての自分の力がいかに小さいものか・・・・ |