還らない声 あとがき


恥ずかしい結末だ…(笑)。

当初の目論見よりも随分と、思い入れの深いお話になりました。
『還らない声』
前半ではマイクロトフの呼び声に対して、返らないカミューの声。
しかし後半ではカミューの呼び声に対してマイクロトフが声を返してくれません。

途中でマイクロトフがカミューに問います。

人は何処まで強くあれるのだろう

実は最初はバッドエンディングの予定で書いていました。
マイクロトフが戦場に出向いたまま帰らず
一人目覚めたカミューが、ぽつりと呼び掛けて終わるという…
6話目の終わりの場面ですね。
詳しく書かずに後は想像してもらおうと言う卑怯くさい結末です(笑)
曖昧にしておいて「いやさ青は戻って来るのさ」と考えても良し。
「青は戻らず赤さん気の毒〜」と考えても良し、と。

しかしここまで長く書いておいて
しかもマイクロトフの問いが宙ぶらりんではありませんか。
暗涙だからとバッドエンディングにする必要もないのです。
ハッピーエンドだって良いじゃん
と思いあんな結末になりました。
ですが最後の最後までバッドエンディングの匂いぷんぷんです(笑)。
やはりそこは暗涙仕様ですから〜。

でもやはり、最後にはマイクロトフが声を還して良かったなと思いました。
やはり青はこうでなくては(笑)。
赤を救うのならとことんまで救ってくれなくては。
そしてカミューも弱いばかりではなく
最後には強さを見せて欲しいなと思ってあの結末です。
ちょっと(いやかなり)意地悪な展開でしたが…(苦笑)。

ともあれ。
餌につられて書き始めたこのお話。
青スキーなあの方に気に入って頂けたなら幸いかな。



2001/12/12