言 葉 ... 好きだよ
「マイクロトフ」
「ん?」
「こら、こっち見ろ」
「もう直ぐで読み終わるから待て」
「で、なんだ?」
「え? あぁ、もう良いよ」
「もう良いって…」
「うん。もう何でも無くなったから良い。読書の邪魔をして悪かった」
「…いや―――良いのか?」
「良いよ?」
「そうか…」
「うん」
「…カミュー、気になるんだが」
「え? 何が?」
「先程の」
「気になるのか?」
「うむ」
「本当になんでもないんだけどな」
「差し障りがなければ教えてくれんだろうか」
「え?」
「だから、何を言おうとしたのか教えてくれ」
「さっきのか?」
「そうだ」
「気にするな」
「する」
「……」
「忘れたわけでは―――」
「ないよ」
「ならば」
「だってなぁ……」
「さっき言おうとしたことだろう? 何故それほど言い淀む」
「さっきはさっき。今は今」
「なんなんだ」
「気分が圧倒的に違う」
「なに?」
「さっきはそれを言いたい気分だったんだ」
「どういう意味だ」
「今は言いたくないって事だ」
「……怒っているのか?」
「怒っていない」
「カミュー」
「…マイクロトフが悪い」
「……カミュー」
「さっき、少しこっちを見てくれたらそれで良かったんだ」
「カミュー」
「だからもう良いって」
「カミュー」
「……もう良いから…」
「すまなかった」
「なぜ謝る」
「悪かった」
「良いんだって」
「俺が良くない」
「マイクロトフ」
「カミュー?」
「目を閉じろ」
「ん?」
「良いから閉じろ。わたしが良いと言うまで開けるなよ」
「……これで良いか?」
「あぁ」
「カミュー?」
「好きだよ」
「え?」
「じゃあな」
「カミュー? おい」
「開けるな、そのまま!」
「カミュー?」
「何処へ行くんだ!」
「目、開けるなって言っただろ〜〜」
「カミュー!!」
おしまい
……いえ、あの、その(しどろもどろ)
らぶらぶ馬鹿っぷるの日常会話です(笑)
インデントが不揃いなのは故意にです
会話の間などを感じとって頂ければ良いかな〜と
2002/01/21