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全校朝会での話
<ポスターの落書きについての指導>
山・三サークル、TOSS独歩 下川 善史
「ポスターへの落書き」について、全校朝会で話をしました。
「悪いことをすると自分の脳から出るホルモンで自分自身を痛めつけてしまう」という脳科学を根拠にした話です。
脳の話の部分は、向山実践の追試です。
まず、ポスターを提示して、おだやかな表情で次のように言う。
このポスターは「人間が先、点数は後」というポスターで、人間は大切なものなのだというものです。下川先生も大好きなポスターでした。 |
その後、落書きされたポスターを見せて、少し厳しい表情で以下のように言う。
ところが、このポスターに落書きしてありました。 押しピンで穴をあけたり、マジックで落書きしてあります。 せっかくの素晴らしいポスターが台無しになってしまいました。もう、このポスターは二度と使えません。 みんなこのことをどう思いますか。 |
子ども達からは「ひどい」という声が上がった。
「こんなことをするのは、悪いことだ」と思う人、手をあげなさい!(一斉に手があがった) そうだね。悪いことだね。 実は、この落書きを誰がしたのか、それを知っている人が二人いるのです。 誰だと思いますか。 |
ここはさほど考えさせずに、さらりと次に移る。
ひとりは、神様です。神様は空の上から私たちのしていることをすべてお見通しです。 もうひとりは、この落書きをした本人です。 |
ところで、みんなは「脳」を知っていますよね。この頭の中にあります。(この時、少し低学年にざわつきが生じた。話題を変えたからか?) 人間の脳というのは、とても不思議なんです。 脳は人に親切にしたり優しい気持ちになったりすると、脳の中にエンドルフィンという物質が流れ、痛みをやわらげ体全体を治してくれます。 みんな、こういうことがありませんでしたか。ケガをした。おなかが痛かった。お母さんが「大丈夫だよ」とそこを触ってくれると何となくフッと痛みがなくなるようなことがありませんでしたか。そんな感じになるときが。 あれはね、お母さんに「大丈夫だよ」と言われるときに脳の中からエンドルフィンという物質が流れ、体全体の痛みを和らげてくれるのです。 これは本当の薬の何倍も強い作用があるのだそうです。病気は全部やっつけてくれます。 ところが、人に悪いことをしたりいやなことをすると、ノルアドレナリンというのが出てきます。これは大事なことなので、お医者さんが書いたのを読んでみましょう。(脳内革命「春山茂雄著」P.19を読む) 人間は怒ったり、怒鳴ったり、意地悪をしたりすると、脳からノルアドレナリンという物質が出てきます。この物質はホルモンの一種なのですが、どういうわけかものすごい毒を持っています。 自然界にある毒では一番強いと言われる蛇の毒のその次ぐらいの毒があります。 もちろん、脳の中に出されるのはごく少ないのですが、いつも怒ったり、怒鳴ったり、意地悪をしていると、そのたびにノルアドレナリンが出て、この毒のせいで病気になったり、老化が進んだり、早死にしてしまうこともあります。 ひどいときには、胃に穴もあいてしまいます。 悪いことをしたとすると、「僕やってないよ。そんなの知らないよ」と、例えばごまかしたりするでしょう。でも、自分は知っているのです。やったのを。自分の脳も知っているわけです。 ですから、それを「やってないよ。知らないよ」と言ったって、自分の脳は自分を攻撃し始めます。「そんなのは許せない」と、自分の気持ちとは別に、自分の脳は悪いことをした自分を攻撃し始めるのです。 1回、2回はたいしたことはないかもしれないけれど、いつもいつもやっていると、靴を隠したり、蹴飛ばしたり、悪口を言ったり、そうすると、自分の脳が自分の体を攻撃し始めるのです、とお医者さんは書いています。 逆にいいことをすれば、エンドルフィンという物質が次から次へと出されてきて、ちょっとぐらいの病気は治してくれる。怒りも取り払ってくれるのです。 恐ろしいですね。人はだませても、自分自身はだませない。自分の脳はだませないのです。 |
<上記実践のねらい>
○良いことをしたり、正直になることの大切さを理解させる。
上記のねらいを達成するために、脳科学の本を紹介しながら以下のことを教える。
・悪いことをすると、脳から悪いホルモンが出て、体を痛めつける
全校朝会でこの話をした後、縦割り給食の時間に、6年生の子が「脳から流れるのは何でしたっけ?」と質問してきました。隣にいた3年生もその話題にのってきました。
他の先生方からも、良い話だったという感想をもらいました。
やはり、「脳の話」は、力のある資料だと思いました。
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