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【ノンレム睡眠と夢に関する神経伝達物質】 ノンレム睡眠とノンレム睡眠中に見る夢は、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質の放出によって始まり、 セロトニンが減少することによって終わります。 【レム睡眠のコリン作動性理論】 コリン作動性理論は、神経伝達物質であるアセチルコリンが、レム睡眠と夢を発生させているという理論。 レム睡眠と夢の結びつきが確認され、「夢を見るためにはレム睡眠が必要である」という考えが基礎にある。 レム睡眠と夢は両方とも脳幹によってコントロールされているという考えが、かつては一般的でした。 【レム睡眠と夢に関する神経伝達物質】 コリン作動性理論では、レム睡眠とレム睡眠中に見る夢は、アセチルコリンの放出によって始まり、 セロトニンが放出されることによって終わりになります。 【レム睡眠のドーパミン作動性理論】 ドーパミン作動性理論は、脳の前頭葉に位置するドーパミン神経回路が活性化されることによって、 夢が生み出されるという理論です。 夢の生成はドーパミン作動性理論、レム睡眠の発生はコリン作動性理論ということになります。 脳内のドーパミンレベルを上げることでパーキンソン病治療に使われる薬があります。 この薬を夜の時間帯に患者に投与し、睡眠時のドーパミン量を増やすと、 レム睡眠の長さや頻度は変わらずに、夢を見る頻度と夢の鮮明さのみが劇的に向上する。 つまり、夢に関連する神経伝達物質は、明らかにドーパミンだということ。 @ドーパミンの濃度が、夢の頻度、鮮明さ、継続時間を向上させる。 Aアセチルコリンがレム睡眠の頻度、強度、継続時間を左右する。、 【夢の生成は脳幹ではなく、前頭葉】 コリン作動性理論では、レム睡眠と夢は両方とも脳幹によって引き起こされるとされていたが、 ドーパミン作動性理論は「レム睡眠は脳幹によって、夢は前頭葉によって引き起こされる」という想定で 研究・臨床実験が行われ、その結果、多くの重要な発見をすることができました。 なお、夢を引き起こすのは脳幹ではなく前頭葉であるという理論の裏付けに、 前頭葉に病気を患った人が、レム睡眠には何も影響がないにも関わらず完全に夢を見なくなるという事例や、 前頭葉の白質切断というロボトミー手術を受けた患者の70〜90%が夢を見なくなる事例などを根拠としている。 つまり、夢をみるためにレム睡眠は必須ではないということがいえるだろう。 ノンレム睡眠時の夢は、日中の残滓である短期記憶の抽出をする際に、圧縮された夢をみていると思われます。 この場合も、圧縮された夢をみることにノンレム睡眠は必須ではないということなのかもしれません。 整理すると、 @脳内の特定の神経伝達物質が放出されることにより、睡眠のステージが決まり、夢が発生する。 A睡眠の質や夢の生成は、脳内神経伝達物質の濃度レベルに左右される。 Bセロトニンがノンレム睡眠を開始し、セロトニンが減少するとノンレム睡眠が終了する。 C神経伝達物質のアセチルコリンはレム睡眠を引き起こし、維持するはたらきがある D神経伝達物質のセロトニンはレム睡眠を終わらせ、次のノンレム睡眠を開始させる。 →夢を見るためには、まず、脳をレム睡眠中の状態にし、次に、ドーパミン回路を活性化する必要がある。 【夢が夢であるという概念の獲得】 小さな子どもは犬におそわれて足をかまれたという怖い夢を見たとき、本当のことだと思っています。 「それは夢だよ、ほら足などかまれていないでしょう(因果性)」と親が教えなければ「夢」というものがわかりません。 夢というものがあることがわかっても、自分が見た夢は母親も見ている(公共性)と考える子どももいます。 夢の中で友達と喧嘩をして泣かされたら、その相手は謝ってくれるはず(共同性)と思い込む子どももいます。 夢に「因果性、公共性、共同性」というものはそもそもないということに気づくのは3〜5歳ぐらいですね。 繰り返し夢を見る経験をつむことにより、夢は因果性がなく、公共性や共同性もない、 まったくのプライベートな世界=「感覚空間」であると感じるようになります。 そのことに気づくのは言葉によって他者から教えられえるからです。 言語という高度なコミュニケーションツールを使って、夢の概念を理解しているということです。 夢と現実の区別がつかないとしたら、喧嘩をして泣かされた子どもは、面と向かって「謝ってよ」と相手に要求するでしょう。 人間も動物も夢見の内容を忘れるように仕組まれていますが、漏れてくる夢の内容があるわけです。 これは、動物にも当てはまると思うのですが、動物の場合は困った状況になりがちです。 漏れてくる夢の内容を現実と思い込めば、危険な行動をして命を失うことになるかもしれません。 だから、「夢見のシステム」として、最終段階において積極的に、夢を見たという記憶を消しているのですね。 【睡眠の制御】 昼の大脳皮質の興奮性のニューロンが飽和状態になり、 キャパシティを超えると、以下のように睡眠制御のシグナルを 発する。 @睡眠の質は大脳皮質の興奮性ニューロンがシグナルを発し、制御する。 A睡眠の量は視床下部の興奮性ニューロンがシグナルを発し、制御する。 Bシグナルがニューロンレベルの性質を変化させ、 睡眠/覚醒状態の切り替えや維持を担う ニュー ロンを介して、睡眠を制御している。 筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)柳沢 正史教授 (当時)
【3つのカテゴリー】 睡眠の質により、生成される夢は3つのカテゴリーに分類される。 @入眠時の短い夢 →脳モードの調整→「フラグ」をなぞる夢 Aノンレム睡眠の夢 →昼の脳活動の再現にともなう夢 Bレム睡眠の夢 →拡散的連想をともなう記憶再構成の夢 【脳環境の変化】 覚醒・レム・ノンレムの態様
※レム睡眠(REM Sleep) レム睡眠中、DMNの活動は増加します。この時期は夢を見ることが多く、脳が内省や自己参照的思考 を活発に行っています。 レム睡眠中のDMNの活動は、創造的思考や問題解決に寄与すると考えられています。 特に、内側前頭前皮質(mPFC)と楔前部(Precuneus)の活動が顕著です。(03の図を参照) ※ノンレム睡眠(NONREM Sleep) 睡眠中はノンレム睡眠の後にレム睡眠が現れるサイクルを繰り返しており、ヒトの場合、睡眠の7−8割がノンレム睡眠である ノンレム睡眠中は、DMNの活動が低下し、脳の休息と回復が主な役割となる。エピソード記憶の統合や情報の処理が行われます。 特に、深いノンレム睡眠中は、脳全体の神経活動が抑制され、デフォルトモードネットワークも低活動状態になります。 睡眠中の大脳皮質の活動が、以前に取得した記憶を基にして直接には学習していない推論知識を導き出 すために必須であること、 ノンレム睡眠が散在している記憶を整理し、レム睡眠が整理された記憶から推論知識を計算していることが明らかになった。 ※DMN→デフォルトモードネットワークは前頭前野、偏桃体、帯状回などをつなぐ神経ネットワーク。「さまよい思考」をする。 ※MCH神経とは食欲調整にかかわり、食欲を増進する神経でもある。 ※レ ム睡眠時活動型、覚 醒時活動型、レム・覚醒活動型の「3種類」のMCH神 経がある。 ※レム睡眠時型MCH神経は海馬に密に投射し、海馬依存的な記憶の忘却 にはたらく。 MCH 神経を活性化したところ,記憶の「獲得」や「想起(思い出し)」は低下しない。 記憶を「保持」している期間にMCH神経を活性化させると記憶が低下する。 ※クラスター:複数の神経細胞が同じタイミングで活動(共活動)す ること。 何らかの経験や学習をした時に共活動する神経細胞集団が、その情報を符号化し記憶として脳に蓄えて いると考えられている。 神経細胞の共活動(同時発火)は新規情報(記憶の再構成)を創り出す という新たな役割を持つことも明らかになっている。 前頭葉でシナプスの結びつきが強くなると眠リが始まり、眠るとシナプスの結びつきが弱くなることがわかっている。 昼の脳活動でシナプスの結びつきが進行する。それが極大に達すると夜の脳で一 度解きほぐして、結びなおすという作業をする。 |
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