バックを返してくれない夢?   
32才 女性  「花絵」さんの夢  2025/02/08

すごく家族に言いたい不満があるのに、誰もまともに聞いてくれない。
亡くなった母も私のそばから離れていってしまいました。

私はわめきながら階段をのた打ち回るようにして上がっていくと
途中に傘のような物に私の戒名のような物が書いてあリました。
思い切り、それを蹴って、どういうわけか小銭を投げつけました。
二階には姉がいて私は泣きながら「私のバッグを返して」と訴えていました。

自分の泣声で目がさめ涙が出ていました。
とても悲しかったのです。生きていくのが苦しくなっています。






@新奇な体験:
バッグはブランド物で買ったばかりですが、小さな傷がついており、お店 の方に無償修理を依頼しています。
母も生前は同じブランドのバックが好きでした。その影響もあってか、トレンドに流されないデザインが好きです。

母のバックは父が亡くなってからというもの、収入が途絶えたこともあり、処分して生活費に充てていたようです。
母が亡くなったとき、形見分けと期待していたのに何も残っていないことを聞かされがっかりしました。

最初は姉が処分したのだろうと決めつけて追及しましたが、はっきりしないままです。

A夢を生成する感情:
家族にとり合ってもらえないという「不満」
何かしら隠し事をしているらしいという「不信」
表現のしようのない、どこに向けたらいいのかわからない「怒り」
すべてを失なってしまったように感じる「悲しみ」
分かり合えないという「苦々しさ」

B関連する弱いつながり記憶:
家族への不満→遺産分与が不公平だと感じています。父のとき、母のときの2回とも姉が多くを得ています。
姉は独身であり、母とともに生活していました。姉は収入もかなりありましたが、母への援助はしませんでした。
父の遺族年金で姉は生活を回していて、自分の給料は貯蓄。母はときどき必要なものを自分の蓄えで買っていたようです。
母は、そんな姉であっても信頼していて「財産管理」のほとんどを任せていたようです。別荘もいつの間にか売られていました。

別荘は子どものときの思い出がいっぱいあって、私の家族で使いたいと思っていたのに残念でしかたありません。
戒名→父の戒名と母の戒名にランクに差があって、葬儀の際、とても恥ずかしい思いをしました。
確かに姉が執り行った葬式ではありますが、事前に相談があれば相応の費用を支払うつもりでいたからです。
自分の戒名だと思ったのは、そのものずばり「姓名」が刻まれていたからです。
傘のようなものは、あらためて思い出してみるとステンドグラスのシェードです。母が趣味でつくっていました。

C夢見者の現実認識:
夢見者は姉と15才以上も離れて生まれています。父の葬儀のとき、父の子ではなかったと親戚から聞かされます。
父が亡くなった時、相続のほとんどが「姉」のものとなります。父も死ぬ5年ほど前に事実として知ったとのこと。
父の葬儀後に、夢見者は実家を離れます。半分は姉に追い出されたという感じです。
ひとりで生活は最初は大変でしたが、幸運なことに今の夫と知り合って、子宝に恵まれ、3人の子持ちになります。
母は自分勝手なところがありましたが、それでも好きでした。こっそりと孫に逢わせたときは喜んでくれました。
家族は父と母、姉と私。母の姉妹がいます。夢の中では6人いて、男1人に女が5人という組み合わせでした。

D大脳辺縁系の生存行動:

生き残りのための行動→「離れる・近づく」→「階段を登る・降り る」→「投げる・投げつけられる」→「泣く・泣かれる」

E夢の課題:32才と いう年齢  自立と自律が メイン 

□親密な関係 →生殖行動  □結婚・家庭生活 →繁殖行動 □危機的状況→攻撃・防御・回避行動
□成熟した仲間関係→採集活動 □生きがい・自分探し→狩猟活動
□道徳性・良心・価値
 □倫理体系の確立  □責任ある行動  □信頼と不信 →関係性
□問題解決 □経済的自立   □親からの情緒的独立 □自己の確立 →自立
□健全な習慣 
□勤勉と劣等感 □集団に対する態度 □自律性と恥 □自主性と罪責感 →自律

バックはどうなってしまったと思いますか? →姉が隠して持っていると思う。
戒名は誰が書いたのだと思いますか? →たぶん母、ステンドグラスのシェードだったから。




亡くなった母がいなくなった。ということは家族が集まった時点では「母」は居たということ。
母が居たときつまり生前「伝えたかった不満」のようですね。

その矛先がどこを向いているのか、母がいなくなったのですから、まずは「母」なのでしょう。

そして、次が「姉」のよう。まともに聞いてくれないのはどんなこと?


わめきながら、階段を昇ります。

わめくのは「正当なことを主張」しているという気持ちがあるから。

階段をのたうちながら昇るのは、相当な苦しみが伴うという暗喩


父の葬儀のとき、「父の子」ではないと親戚から告げられたとき、半信半疑のまま、事実を確かめずにいましたね。
財産分与で姉の相続分がとても多かったのを不思議に思いましたが、そのことを口にすることはありませんでした。
葬儀のあとの酒席で母の姉に、露骨に揶揄され、「父の子じゃないからよ」と言われたのを苦々しく思いましたね。
母は否定も肯定もせず、葬儀を執り行う「姉」を傍に寄せるのを見て、そうかもしれないと落胆しました。


母の葬儀のとき、やはり姉が執りしきり、あなたの出番はありませんでした。
あなたの相続分がわずかであったことも不満でしたね。形見分けも行われず、実家は姉のもの。
母が居ない現実において、その「怒り」は姉に向けられてたのでしょう。

2階に姉がいるのはそういうわけ。あなたは1階。つまり、ランクが下。お下がり身分。

母にも言いたかったことも含めて、「姉」「正当な主張」を怒りとともにぶちまけたいのでしょう。

正当な主張は、ステンドグラスの「シェード」に刻まれた「戒名」として登場します。

母の戒名は父の戒名より下のランク。あなたの相続分は姉よりかなり低かった。
あなたは姉の影
的存在にすぎないのですね。日が当たることはなかったわけです。  ※シェード=陰影

「戒名」にあなたの名前が刻まれているのですから、葬儀執行を「姉」ができるということ。
母にしたように、「ぞんざいな扱い」を、あなたがされているのでないかと感じ取り、

その象徴である「戒名」を蹴り飛ばすことで、「鬱憤」をはらし、

小銭という「賽銭」を投げつけることで、邪悪な存在である「姉」に手痛い仕打ちを試みたわけ。

つまり、諸々の手続きを踏んで、「正当な対応」を要求する行為を夢の中で実行しているようです。

二階の姉に、「泣き」ついて、「バックを返して」と要求するのは、

「無償修理」という当然の権利を認めてほしいと懇願しているということ。


もうひとつのメッセージ。


「ステンドグラスのランプシェード」母の趣味でしたね。
あなたのブランドバック母親譲り

母にひとかたならぬ愛情を感じていた「あなた」にとって

形見分けのバッグが手元にあり、

趣味のランプシェードをつくっていた「別荘」が残っていて、

あなたたちの家族で利用できたら、どれほど慰められたでしょうか。


遺産相続のことでのたうちまわるような「憤怒」のみを感じていましたが、

肝心の「母の死」に対する厳かな気持ちを心に留める機会を失い

悲しみや刹那さを後まわしにし、無為に過ごしてしまったのかもしれません。

今になって、やっと泣くことによって、「感情」があふれてきたということでしょう。


形見分けは「物」として、自分の手元にあるものだけではありません。
思い出や消えかけた記憶の中に、母の面影をさがして、偲ぶことによって「あなた」に届けられものです。

夢は、どうやら、そちらに照準を合わせているのかもしれません。
あなたの「戒名」がステンドグラスのシェードに刻まれていたのはそういうわけ。
母の記憶に、あなたの「名前」が刻まれているのなら、確かにあなたは愛されていたのでしょうから。
そのことを確かめている、自分の目で確かめたのに、蹴ってしまったのをはどういうわけなのでしょうか。
わざわざ夢イメージとして極端な表現しているのは・・・ショッキングなイメージを提示することにより、
「間違った道を歩んでいる」から気づきなさいという自分への強いメッセージになるからでしょう。

それが夢のやり方。

あなたの夢ですから、もう一度夢に立ち返り、夢の気分を味わうことによって、何かがはっきりするはず。
はっきりと感じ取れたもの、それがあなたの「生きにくさ」をいくぶんでも解消してくれるでしょう。



おはようございます。今朝見ました。
パパも子どもたちも寝ている時間帯です。
私は、形見分けがなかったことを不満に思っていました。
なので、夢の中のバッグは母のバッグであって、それが欲しかったのかなと。
なんとはなしに、それだけなのかと。でも、違っていたんですね。

どうして涙が出たんだろうって思っていて、悔しかったのは確かですが
それでも気にしないように、毎日の生活をこなしてきたつもりです。
バッグを返してという叫びと涙がどうしても繋がらなかったので、
診断して頂いた中で、母との思い出、記憶のことを指摘された部分を
読んだとき、ふたたび涙が出てきたので、そういうことだったんだと納得できました。

自宅には母を思い出すものが全くありません。写真もないのです。
スマホには、子どもと写っているのがいくつか残っていますが、それだけです。
バッグではなく、母の思い出をわたしは求めていたんだ・・・。
しばらくの間、母との記憶を頭の中で巡らせると、涙がどんどん出て、
声がでてしまうのではないかと口を押えるほどでした。
母との本当の別れができたように思います。夢ってこんなにも意味のあるものなのですね。
あらためて、今回はこのようなチャンスをいただき、心より感謝いたします。ありがとうございました。