
2026.9.12
アルナイン(アルモデル)の「とても簡単な」シリーズに、「A1081 とても簡単な自由型Bタンク」が追加されています。
16.5mmゲージの自由形Bタンクを、9mmゲージサイズにアレンジした製品のようです。動力組立済で、手軽にできそうでしたので買ってみました。
これは私がキットを組み立てた過程をメモ書きしたもので、組み立て説明ではありませんので、正しい組み立て方については説明書をご参照ください。
2014年に発売された「産業用Bタンク」に似た構造ですが、動力部はより小型化されています。

キットの内容は組み立て済の動力ユニット、エッチング板1枚、ホワイトメタルのボイラー類、ほか小部品や各種ネジ、絶縁シール、透明シート等が付属しています。
必要な部品はカプラー以外すべて含まれており、¥13,000+税ですから、金属キット製品としては相変わらず安いです。 これで折り曲げ、丸め、接合など一通りの金属工作が体験できます。

エッチング板をよく見ると、リベットが凹表現されているように見えますが、これは裏面です。
表側はエッチングされていない平面です。リベットが欲しい場合は、この凹みを裏面から画鋲の先で外側に押し出せば、手軽にリベット表現ができます。リベットなしで組み立ててもいいのですが、私はこの方式のリベット表現の経験がなかったので、やってみました。

親切なことに練習用の凹みガイドがエッチング板に用意されていますので、いくつか練習して手ごたえを覚えます。
どれぐらいの力で押せば穴が開いてしまうのか、を体験しておくとよさそうですね。
説明書には「わずかな力で飛び出し、孔が開きます」とありましたが、私の場合はかなりギューッと押し付けても破れることはなく、強めにしっかり押し出したほうがよさそうでした。
これはその方の力のほか、エッチングの状態や使う画鋲によっても変わると思います。

最初に練習用の穴を3個だけ押し出してみました。表側にくっきりと出ています。
あまり軽めだと、塗装したときに割と物足りないことがあるので、強めにやることにしました。

車体側面のリベットをすべて押し出したところです。写真では裏表がわかりにくいですが、これが表側にリベットが出た様子です。
「力を入れすぎて貫通しちゃいました〜」などと書ければ面白いのですが、貫通はなく、逆に様子を見ながら押し増したところもありました。

無事に全部終わりました。かなり力を入れたので指先が疲れましたが、1時間程度でできたのではないかと思います。
もちろんリベット押し出しは好みに応じてするものですので、必須ではありません。

裏面には何か所か、パーツを取り付ける下穴のようなものが用意されています。キャブ入口の手すりや、後部の解放てこ用と思しきものなどがあります。
私はキャブ入口の手すりのみ付けることにして、0.3mmドリルで穴を貫通させました。

車体の天井部分と、サイドタンクの部分を折り曲げて形にしました。
まだ固定はしておらず歪みます。

後部妻板の底部には、あとでネジ止めするための穴があるので、付属のタッピングネジでネジを切っておきました。

取り付け部を直角に折り曲げました。
てっぺんにある突起は、あとで屋根をかぶせるときの位置決めになるので、削り取らずにおきます(あまり長いと屋根が浮きますが)。

前部妻板も、数か所のタブを前方に折り曲げました。左右2個はサイドタンクに下から当たる部分、中央2個は上からボイラーが載る部分です。

前部妻板を下から車体に差し込み、天井中央のツメを妻板上部に通し、ツメを折り曲げて留めました。

同様に後部妻板を差し込み、ツメを折り曲げて留めました。

炭庫の後板を差し込み、3つのツメを折り曲げて留めました。
標識灯を掛けるフックのように見えます。
石炭板も付属していますが、これは塗装前に接着することにしました。

「とても簡単な」キットは、各部をツメで留めただけで完成できることになっていますが、組み立て中の形がやや不安定で隙間も空きますので、接合部を裏側からはんだ付けして全体を固定しました。
小さいものですから瞬間接着剤でも十分かと思います。

手すりは0.3mm洋白線を折り曲げて差し込み、裏側からはんだ付けしました。やや失敗気味です。
裏側に出た脚は平らにしておかないと、あとで床板が正しくはまらず、困るかもしれません。

屋根は自分で曲げる必要があり、人によってはこれが最大の難所です。
指先で直径35mmくらいの棒に押し当てるようにと書かれています。

私はゴム板の上で、塗料の瓶(写真はガイアカラー)や、木の丸棒(写真は彫刻刀の柄)に押し付けて少しずつ曲げました。
端の方は均一に曲がりにくいですが、あまり力を入れすぎて折れ曲がってしまわないように注意です。折り目が付いてしまったらなるべく修正のうえ、ヤスリで整えて、塗装すれば目立たなくなるかと思います。何なら屋根をまるごと0.3mmぐらいのプラ板で作り直してしまってもよいかと。

丸めた屋根を車体に載せ、折り曲げた天窓を差し込みました。

天井の穴を貫通して室内側に出た、天窓の脚をしっかり曲げて固定しました。
構造上、屋根と左右側板や前後妻板との接合部は、裏側からハンダ付けして固定することは困難かと思います。

床板は前後の端梁部分を折り曲げ、ハンダ補強しました。
矢印の部分は0.3mm程度削るようにと説明書にありますので、このあとヤスリを使って短くしました。

一度床板を動力部にはめ込んでみたあと、床板を車体にはめ込んで固定しました。
また、キャブ下のハシゴにL形に折った洋白線をはんだ付けして補強しました。前側の支柱だけでも、補強するのとしないのとではだいぶ違うような気がしまして(真偽は不明…)。

床板を取り付けた車体を動力ユニットにかぶせてみたところです。各部寸法がギリギリなので、少々難しいです。
なおモーター前面のあたりと、キャブ前部妻板が接触するとショートするらしく、絶縁シールを貼るよう指示があります。

ボイラー底部の穴に、タッピングネジをねじ込んでネジ山を作ります。
約3mmのネジ穴をつくるということですが、なかなか硬くて大変なので、少しねじ込んでは緩め、を繰り返していきました。3mmも掘れなかったかもしれません。
以前、産業用Bタンクでこの作業を無理やりやって、タッピングネジをねじ切ったことがあったので怖くて…。

カプラーにはアーノルドカプラーとカトーカプラーNが使えます。
取り付け板を折り曲げ、カプラーを挟み込みながら形を作りました。
取付板には何か所か折りスジが付いているので、説明書をよく見て余計なところを曲げないよう、また逆向きに曲げないように気をつけます。といっても1箇所、予想外のところが反対側に折れてしまい、ヒヤヒヤしながら曲げ戻しました。

ボイラーに煙室扉を接着し、前後のカプラーとともに動力ユニットに固定して試運転を行いました。
割とゆっくり落ち着いて走ることができましたが、ちょっと手を出さないと動き出さないことも結構ありました。

残りの部品です。キャブの後部妻板にホワイトメタルのライトを接着しました。
ついでに、よく見えませんがサイドタンクの上面に給水口のふたを接着しました。楕円形・円形の2種類が付属しています。
このほかシリンダーブロック前面に貼るリベット表現付きの蓋も付属していますが、使いませんでした。

付属の動力ユニットです。動輪径は5.5mmのようです。モーターは小さなものが付いています。
モーターの軸の上のあたりに、黄色いテープを雑に貼っていますが、説明書にこのへんを絶縁するようにと書かれていました。ただ最終的にはモーター側ではなく、キャブの前部妻板の裏側にテープを貼って絶縁しました。

アクリジョンのブラックとつや消しブラックを混ぜて塗装しました。アクリジョンの塗膜の強さに賭けてプライマーを省略しています。
丸1日乾燥させてから、前後のライトに銀を、安全弁に金を筆塗りしました。
このほかにシリンダーブロックとナンバープレートも黒塗装しています。

塗装したシリンダーブロックは、説明書どおり動力ユニットに接着しました。
向こうに置いてみたのは津川洋行のコッペル用の動力ユニット(5mm車輪)です。モーターの置き方も伝達方式もかなり異なります。

床板の裏側の一部に貼る絶縁シールが付属しています。型抜きされているのが親切で嬉しいですね。

所定の位置に絶縁シールを貼り付けました。
貼り付けてから塗装してもよいとされていますが、塗装前に車体を水洗いしますからそのあとに貼ったほうがよさそうです。 また、もし塗装に失敗したら、塗料を落とすために溶剤で洗う必要があり、せっかく貼ったシールが剥がれてしまいそうです。というわけで私は車体の塗装を終えた後に絶縁シールを貼りました。

これで最終組み込み用の部品はすべて用意できたので、組み立てていきます。

改めて車体に動力ユニットを組み込みました。
モーターと前部妻板の絶縁に注意します。
微妙にねじれていることがわかったので、このあと修正しました。

動力ユニット後部2箇所はM1.4×1.8mm低頭タッピングネジでネジ留めしました。
カプラーは仮止めネジを外してから差し込み、M1.4×2.5mmネジでネジ留めしました。

前部カプラーを差し込んでから、M1.4×4mmタッピングビスでボイラーと床板に共締めしました。
こまごまと失敗していますが完成しました。


同じぐらいの大きさの、自走するBタンクキットを並べてみました。




ちょっと出渋る傾向のあるものに当たりましたが、走り出すとなかなかじっくりと落ち着いて、風情ある走りができ、小編成にとてもよく似合います。
手軽に折り曲げのみ・無塗装で組み立ててもよいですし、金属工作の入門用としてはんだ付けするのもよいですし、しっかり楽しめるキットではないかなと思います。


