「文学横浜の会」

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2004年10月3日


「10月になっても残暑」

 今年の暑さは厳しかった。毎年、確実に暑い日が多くなって、今世紀末、日本の真夏日が年間100日を越えるだろう、 と予想されている。そうなると年間のほぼ三分の一が30度を超えることになる。そうなると植生にも影響を与えて、 一体どういうことになるのだろう。地球の気象が変化するのは、それは地球の生い立ちからで、 それ事態は人間の力ではどうすることも出来ないが、今言われている温暖化傾向は、 人間自身の営みによっておきている。つまり人間の営みが気象に変化を齎す要因を造っている。

だからと言ってエネルギーの消費を抑えろと言っても、現状の生活レベルを落とすことは難しい。 人類の歴史をみれば、生活レベルの向上だといってもいい程だ。仮に当面のエネルギー消費を抑えたとしても、 生活レベルをそのまま、とするなら、それは何処かでエネルギーを消費しているのだ。

 考えれば、人間自身も地球では、自然の一部ではないのか。何千年前、巨竜たちが地球上を闊歩していた時代、 地上の植物を食べ尽し、廻り廻ってそれが地球の気象に大きな変化を齎し、それが原因で絶滅したと言う説もある。 無論、火山噴火や隕石の衝突等、地球自身の変動による急激な気象変化もある。これはどんな生き物もとめる事はできない。 一方、生命の存在自体が地球の気象に影響を与えているのは間違いない。 「気象条件の変動」が種の変化を齎し、所謂「気象の変動」を促す要因の一つのが「生命の存在」でもある。 「生命の存在」が「地球の気象条件の変化」の一因でもあり、益々「生命の進化」を促す。

とすると、地球の温暖化は避けられないことになる。 百年後、二百年後、今の日本がどんな気象になっているのかと思うとぞっとする。 その頃「俺は生きてないから」等と言わず、ここは想像力を働かせたい。確実にぼくたちの子孫は生きている。 「だからどうせい」と僕には言えないが、 ただ言えるのは、「この地球も、人類にとって未来永劫、安住の地ではない」と言うことだ。 驕り高ぶった人類は、人類をあっという間に絶滅させるような原水爆兵器は造れても、 この地球をコントロールすることは絶対にできない。

 だからと言うわけではないが、同じ地球に生きる生命体として、ましてや人間同士が民族や宗教の違いで、 いがみ合うことなんてないよ。
 領土問題? 国家の尊厳? そんな事を言って、肩肘張る必要はないとぼくは思うよ。

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 イチロー選手が259本(10月2日時点)のヒットを記録した。勤め先でも、普段野球の話などしないのに、 そっとインターネットを覗いて、安打情報を見守っている者もいた。ぼく自身も覗いていた側だが、、、。 84年前の記録を抜くのだから、さぞ大変なんだろう、といった感覚しかないが、 イチロー選手のヒットの積み重ねは今の日本に爽やかな話題を提供している。スポーツならではの爽やかさだ。

それに引きかえ、日本の球界は、いや「プロ野球界」はどうした、と言いたい。多くの人に言われていることだが、 日本の「プロ野球」にはそれを束ねるしっかりした組織があっても「全く機能していない」と言うのが如実に現れた。 一つの人気球団に振り回されている、というのが実態だった。それを許していたマスコミや野球ファンの責任も大きい。 一つの球団で野球はできないのに、どうして一球団の”わがまま’を許してきたのか、この機会に原点に返るべきだろう。

 何れにしろ、球界初のストを実行して、改革の重い腰を挙げたようだ。どんな方向に向うのか見守って行こう。

<K.K>


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