「文学横浜の会」
エッセー
INDEX 過去のエッセー
2006年 3月5日
「予算案通過」
国会はライブドア事件を引きずって、怪しげな電子メール等も出てきておかしな様相になり、
来年度予算案が静かに衆議院を通過した。電子メールの件は民主党の議員が国会の委員会質問で取り上げたのが発端だが、
この問題に限らず国会で取り上げる「質議内容」に、些かうんざりした感想をもっている。
今回の事件はメールの真贋が問われていたが、そんな基本的なことさえ質問前に調べていなかったのかと思う。
しかし僕がうんざりしているのはそれではない。
僕が疑問に思っているのは国会での質問内容が余りに、
先の総選挙でのマスコミの役割、特に「報道バラエティ」と称するテレビメディアは、所謂、
政治無関心、或いは支持政党無しに与える影響の大きさをみせてくれた。
そうしたことの帰結としてか、大敗した民主党の焦りは大きいと思われるが、
だからと言って大衆に阿る議論に片寄ってはならない。
ライブドア事件が明るみに出て、それとばかりに敵失の事件を暴こうとの思いがあったのかもしれないが、
国会で扱う問題はそれだけではない。
テレビで放送される委員会ともなると、質問に立つ議員の意気込みも自ずと違ってくる。
民主党の中には「質問の仕方の問題」との声もあるが、確かにそうかも知れない。
しかし報道受けを狙ったそうした姿勢に問題があるのではないか。それは若手の議員に限ったことではない。
小泉首相と競り合って、国民一般に阿る大衆迎合型政治を競ってはほしくない。
国会で取り上げる質問内容にも大いに問題がある。(関心のある方は下記のサイトから除いてみて下さい。)
予算の無駄使いを追求しているのだろうが、例えば「朱肉」の値段を問い質したりしているのもある。
そんな遣り取りを聞いていると、おいおい、そんな議論を国会でするのかよと思う。
また何年か前の資料を基に、質問する。答える方は恐らく、大わらわだろう。多くは局長クラスが答弁に立つのだが、
無論、局長クラスはそんな細かいことは知らない。現場の担当者が徹夜して調べ答弁書を作るのだ。
国会対策費として予算には計上されているのだろうが、その無駄な労力はどれ程になるだろう。
無駄を追求しているのだろうが、多くの無駄を生んでいるのではないだろうか。
質問する方も「質問内容」の専門家ばかりではない。殆ど素人と言ってもいい。
バックに専門家と称する者がいるのだ。それがくせ者で、どれ程の専門家なのか判ったものではない。
そうした人たちが質問内容を作って、それを基に国会議員が知ったかぶりをして質問する。
答える方も答案書に沿って答える。考えればなんとも奇妙な構図になっている。
本当の専門家が聞けばおかしな遣り取りも多々ある。
少子化問題、財政の建て直し、地球温暖化問題、イラク派遣の撤退時期、憲法、ニート対策、格差社会の是正、
東アジアでの外交立て直し等々、国会で議論して、国民に問わなければいけない難問が山積している。
二大政党の中で、民主党の役割はかつての社会党より大きい。それだけに期待も強い。
国会での無駄な議論を無くすには、何より国会議員の質の問題がある。
逆に言えば国会議員を選ぶ国民の質でもある。そういう事があるにしても、国会議員の数が多いように思う。
そのためには予算の使い方を、誰でも自由に調べられるようなシステムを作るのが先決だ。
それには情報開示がなにより求められる。国の予算で行われた事業については、
年度毎に納品物、出納帳等、全てを一括して納める部門を設ければいい。
調べたければ誰でも自由にそこで調べられるようにすればいい。
衆議院インターネット審議中継
*******
温暖化の中、今年は昨年より梅の開花時期が例年より遅かったように思う。
ここ数年、2月の声を聞くと同時にちらほら咲いていたのに、今年は2月中頃になって咲き始め、やっと満開になった。
梅の咲き具合を見ながらジャガイモの植え付けをしている。今年も少し遅れて植えることができた。
「太平洋の中にあるナウル共和国では2月28日の一年で一番の満潮時、国土の全てが海水に浸かった」
とのニュースを聞いた。地球温暖化による潮位の上昇が続き、海抜2メートル程の国土では、
国土が無くなってしまうのもそう遠い事ではないと言う。
自然災害による被害の大きさも、地球の至る所で過去に例のない大きな災害が発生するようになった。
これも地球温暖化とは無縁ではない。
地球温暖化は確実に進んでいるのは間違いない。
<K.K>
|
[「文学横浜の会」]
禁、無断転載。著作権はすべて作者のものです。
(C) Copyright 2000-2004 文学横浜