「文学横浜の会」

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2013年07月4日


「参議院選挙を前に」

 今月は参議院選挙が行われる。

今回の参議院選挙は与野党の捻じれ解消となるかどうかだそうだ。

昨今の参議院の在りようを見ていると、参議院が衆議院のコピーのように思えて、両院がどうして存在するのかその違いが判らない。

そもそも、どうして両院が存在するかと言えば「日本国憲法」の第4章「国会」に定める条文による。 因みに参議院に関する条文を検索すると以下のようになっている。
第四十二条 国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。
第四十六条 参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。
第四十七条 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。
第四十八条 何人も、同時に両議院の議員たることはできない。
第四十九条 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。

他の条文は衆議院優位と思える条文で、両院の違いというかどうして二院制にしたのかの記述はない。

憲法を草案した当時は衆議院との違いは議論して、恐らく国民にも知られていて共通の認識だったのかも知れない。 聞くところによれば、参議院は政党とは離れた良識の府として位置づけられたようだが、現在そうなっているだろうか?

憲法を草案した当初は了解事項と思われていても、年を重ねればそんな事は忘れ去られて条文だけが残る。 憲法の条文に両院に違いを明確にしておかなかった結果が今日の結果になったと思うが、このままでは改まることはないだろう。 衆議院の一票の価値平準化さえ何年もかかるような有様では、議員自らによる問題解決を求めるのは絶望的だ。

自民党は選挙の区割り等を第三者機関に委ねるとの提案をしたようだが、これは一歩前進とみたい。 所詮、政党の利害が絡む案件を全党一致などと言うのは、問題を解決しないと言う事に等しい。 こういう案件こそ与党は強行採決しろ、と言いたくなる。

 今回ぼ選挙では憲法改正が争点になりそうな気配だったが、どうもその方向に行きそうもない。 憲法改正と言っても「どの条文を?」との問いかけが明確でないから、纏まらないのは無理もない。 まずは96条の改正を、との案は本末転倒で反対だが、参議院のあり方を明確にするのには賛成だ。

因みにぼくの案は、
1 参議院議員は各都道府県から1名づつの代表と全国から選挙で?選ばれた50名の参議院議員からなる。
2 各都道府県の代表は地方議員との兼務も認める。
3 参議院議員選挙はあらゆる政党、団体の支援を得て選挙運動をしてはならない。
4 参議院選挙は広報、インターネット等の公的手段のみとする。
5 参議院議員は政党、団体に所属してはならない。
6 参議院議員はボランティアとし、国会への出席等に際しては日当、交通費等、実費支払とする。

とつらつら考えてみたが、実現するのは難しいだろうな。

<K.K>


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