「文学横浜の会」

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2020年 1月 7日


「ゴーン日本脱出と中東情勢」

 世の中、どうなるのだろう。

先月末から新年にかけて、
ゴーン被告が日本を脱出しレバノンへ。
そして米軍がイランのイスラム革命防衛隊ソレイマニ司令官を殺害し、 中東情勢がきな臭くなってきた。

ゴーン被告の日本脱出は世界の大金持ち、強欲な資本主義の本質を見ているようだ。 お金さえあればどんな事でもできる、と言うのをまさに見せつけられている感じがする。

アメリカのニュースで、大金持ちは契約した消防会社(或いは保険会社かも知れないが)、 つまり高額な保険金を支払う事によって温暖化による大規模な山林火災が発生しても、 自分の家の周りだけ民間会社による消化活動で、 自分の財産を守る、と言う事があると言う。

日本でこんな事はあってはならない。なんでも民営化され、保険会社に高い掛け金を払わなければ 自分の生命や財産は守れない、等と言う社会は見たくない。 正に資本主義の行きつく、一つの強欲な資本主義そのものだ。

それにしても世界レベルで見ると我々には想像もできない大金持ちがいて、 それなのにまだまだ儲けたいと考える病的な人がいるようだ。 既に自分では使え切れない程の財産があるのに、人間の欲望とは限りないものなのか。

でこのゴーン被告の日本脱出問題をどう解決すかだ。
解決方法として色々考えてみた。
1、ゴーンを説得して戻ってもらう。
2、国際指名手配をして犯人引き渡し条約を交わしている国へゴーンは行った機会を捕らえ身柄を確保する。
3、出国先のレバノンは汚職が蔓延している国だそうだから、要人を買収してゴーンを引き渡してもらう。
4、ゴーンが国際組織を用いたのなら、日本もお金でそうした組織を用いて日本に連れてくる。
  無論国家機密費で、日本国はノータッチの形をとる。

この4つの案の中では1が最も可能性が低い。その気になれば4が最も可能性は高い。 何れにしても日本の司法の問題はあるにしても、この問題は看過できない。何としても連れ戻す策を講じるべきだ。

企業活動はグローバル化しており、同時に犯罪もグローバル化している。日本の司法はそれに対応しているだろうか。

 *

 ここにきて中東情勢が俄にきな臭くなってきた。

戦争はしたくない、とお互いにいいながら、報復、と言う名の攻撃や暗殺を行う。 そもそも過去の歴史を見ても、戦争をしたくて戦争になったケースなど余りない。 全てはちょっとしたいざこざから大きな戦争になっている。

もしアメリカが戦争に及んだら、日本はどうするのだろう。 トランプ大統領の理屈では日本もアメリカに味方して、戦争に加われ、と言うのだろうか。 そうなると「アメリカ軍の駐留経費をもっと出せ」と言うレベルとは異なる。 そうなったらそれに対するはっきりした対応策を、政治家は持っているのだろうか。

日本人の精神構造としては、暗殺とか、報復、等という言葉に違和感を覚える。 ましてや中東の、それこそ何千年にも亘る紛争地での国家国民の意識構造は、日本人には理解を超えるものだ。 何千年にも亘る中東のいざこざの多くは、一信教によるもので、 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教と、世界の3大一信教が齎しているのではないか。 無論、アメリカも多宗教国歌とは言うものの、基本はキリスト教国である。 それに今の大統領は原理キリスト教と呼ばれるユダヤ教に近しい者達から多くの支持を得ていると言う。

一信教は他宗教との軋轢や、同じ宗教でも宗派間(例えばイスラム教におけるスンニ派とシーア派)の争いも激しい。 一神教の宗教、宗派が入り乱れている地域が中東なのだ。 我々、八百万の神の下で生きる者には理解に苦しむ事も多々ある。

それに国と言っても中東では我々が思っているような国とは限らない。 部族・家族の繋がりが強く、偶々何処かの部族が国を牛耳っているだけで、 必ずしも国全体が纏まっている訳ではない。

そんな地域にアメリカとの関係だけで出掛けてアメリカ側に付いたら、ただ紛争に巻き込まれるだけだ。

だからと言ってアメリカの言う事も無視はできない。 外交的に上手に立ち廻るしかないのだが、アメリカに日本の立場をはっきり認識させる必要はある。 だからこそ、日本の立場をもっとはっきり発信すべきなのだ。 中村医師の死は日本にとって痛手だが、日本の中東での貢献は中村医師の考えを引き継ぐ事だと。

軍事力が全く必要ないとは思わないが、 それだけが全てではない。 その地域の人々がより平和で安心して暮らせるように手助けするのが最も重要なのだ。

要はその土地で生活ができ、安心して暮らせる環境を作る手助けをする。 ただそれだけだ。

<K.K>


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