「文学横浜の会」
特集
「 箱 根 駅 伝 」
2012年の見どころ
ー2012年箱根駅伝出場大学ー
三強の戦いだと言われている。連覇を狙う早稲田大、今年の出雲駅伝を制した東洋大、
そして大学駅伝の伊勢を制した駒沢大の3校が最有力だが、どうやらここにきて東洋大と駒沢大の勢いが勝り、2校の争いになる気配だ。
1万メートルの持ちタイムから言えば駒沢大だが、山の上り下りのある箱根では持ちタイム通りにはいかない。
何と言っても東洋大の柏原選手の存在は大きく、最終学年を迎えた今回のレースでどんな走りをするのか注目だ。
東洋大と駒沢大の2校の激突になるように予想するが、早稲田大がどの程度巻き返してくるかも注目したい。
元々、高校時代に実績のある選手を数多く抱えている3校だが、取分け早稲田大、駒沢大には将来を嘱望される選手が多くいる。
過酷な練習には故障はつきものだが、故障を少なく自己管理するのも良い選手の条件だし、調整能力も試される。
無論、持ちタイム通りにはいかないのが箱根駅伝で、
3強と言われる大学以外からトップ争いに絡んでくる可能性も大いにあるし、
優勝候補と言えども失敗すれば次回は予選会から、と言う事もある。
毎回言っている事だが、箱根駅伝の各区間が20キロ余りのレースでは、同じような実力の選手でも、
体調やその日の調子によっては1・2分の差がでてしまう。
いくら持ちタイムが良くても大ブレーキでもおこせばもっと大きな差がつく。
それに競技場での走りと路上では違うから、やはり持ちタイムは参考程度にしかならない。
だからこの三校以外から優勝チームがでない訳ではない。いやそうなった方が見ている方は面白い。
毎年箱根を目指して多くの新入生が各大学に入学してくる。
今年も多くの有力選手が入学し、既に出雲駅伝や全日本大学駅伝で結果を残した選手もいる。
そうした選手が箱根でどんな走りをするのか楽しみだ。高校時代は無名だった選手がこの1年でどんな成長したかを見るのも興味がある。
10日にエントリーされた1年生の数にも、各大学の事情が垣間見れる。
最も多い6人をエントリーしたのは明治大、青山大そして上武大だ。
つまり多くの1年生に箱根を経験させて来年、再来年に備えるとの意図が全くないとは言えまい。
箱根駅伝は長距離を走ることから、練習の積み重ねで高校時代は全く実績のなかった選手が二年三年と練習を積み重ねた結果、
高学年になってやっと出て来る選手もいる。高いレベルでの練習は故障との戦いでもあるのだろうが、
練習を重ねて出場を勝ち取った選手にも注目したい。
今年はどんな選手が結果を残すか楽しみだ。
<予想>
毎回のことながら、これは全く個人的な楽しみだ。
今回も駒澤大、東洋大、早稲田大が最も有力視されている。恐らくこの3チームの中から優勝チームが出るとみる。
シード権争いも今回は前回以上に予断を許さない。
実力もあり連続出場していた箱根の名門校の一つである日大が、まさかの予選敗退でも判るように、各校の実力は接近している。
優勝候補に上げた3校以外は全てシード争いに巻き込まれる可能性があり、その3校にしてもアクシデントに見舞われれば、
シード落ちの可能性もある。今回はシード争いが面白いかも知れない。
そうした中で、やはり箱根の名門校の一つである中大が連続シード権を確保できるかも見ものだ。
連続27回のシード権を維持していると聞くが、例え優勝候補と挙げられていた大学でもシード落ちのケースを見ているだけに、
それだけでも注目に値する。
・優勝に最も近いチーム
東洋大、を挙げる
東洋大に勢いを感じる。選手層をみれば駒沢大が優勢にも思うが、山登りの柏原選手の存在は大きい。
キャップテンで最終学年の年でもあり、気迫は十分だ。しかしその気迫が思わぬ展開になると大きく崩れる懸念もあるが、
まぁそれはないと予想する。
・対抗として
対抗としては駒澤大、早稲田大だろう。
<駒沢大>
駒沢大は戦力(持ちタイム)がどのチームより良いのが強みで、
各選手が実力通りの或いは計算通りのレースができるかだろう。一人の失敗で85回のような結果は今回ないと思うが、
流れに乗れないと優勝争いに加われる保証はない。
<早稲田大>
早稲田大は故障していた選手が果たして走るのか、走ったとしてどんな結果を残すかだろう。
前回のようにスタートから上手く流れに乗れればいいが、失敗すると…。
・波乱を起こすとすれば
今回は3校以外で優勝を狙えるチームがなかなか浮かばない。それだけ上位3校の力が突出していると思う。
・上位を窺うのは
拓殖大、明治大、東海大、中大をあげる。
拓殖大、明治大、東海大はそれぞれ大エースを抱えているのが強みで、場合によってはトップをかき回すかも知れない。
大エースが力を発揮できなければシード争いの可能性もある。
・先ずはシード権
日体大、青学大、国学大
予選会をトップ通過した上武大がシードを取れるか? かつて優勝経験のある山学大、神大、帝京大、順大の復活はなるか?
国学大の連続シードは? と興味は多々ある。
予選会で見るように、チーム状態次第でこれらのチームも上位に食い込むことも可能だ。
全員がベストコンデションなら、どのチームにも上位を脅かす力はある。
<振り返って>
今回は東洋大の圧勝で、強さだけが出たレースだった。
2区でトップに立ってから各選手が能力を百パーセント、或いはそれ以上の力を発揮したのではないか。
駅伝では如何に序盤からレースを作る事が重要かを、改めて思わせた。
5区での絶対的なエース、柏原選手の存在が他チームの大きな壁になっていたのでもあろう。
5区だけで2位と3分以上の差が付くと判っているから、そこまでどう言う位置で持って行くか、
優勝候補と言われたチームはそれのみが頭にあったのではないか。
往路で圧倒的な有利にたった東洋大だが、翌日の復路になっても各選手の走りは積極的だった。
結果的に10時間51分台と言う記録になったのだが、これも往路での圧倒的な差、5分7秒があったからだろう。
積極的な走りは、崩れると後半思わぬ時間ロスを生じるが、結果的に全て良い方向にいって、東洋大の圧勝となった。
予想した優勝チームは当たったが、3強の一角を崩すとのチームの目標もあったのだろうが明治大の3位は素晴らしい。
中大の29年連続シード権獲得も地味な記録ながら素晴らしい。
優勝候補と言えども流れが悪ければシード落ちもある箱根駅伝で、連続してシードを確保する事は注目に値する。
今回、懸念された山登りで躓いて、黄色信号が灯ったが、復路でシード権を確保。流石、箱根の伝統校。
目標は3位以内だとの事だったので、チームとしての喜びは小さいかも知れないが、どの大学でも出来る記録ではない。
何れにしても今回も大いに楽しめた。選手諸君には申し訳ないが、箱根駅伝がなければ正月は全くつまらない。
<往路>
今回は恐らく3区を終わった時点で結果は予想されたものとなった。
東洋大は3区が終わった時点で、早稲田大に1分3秒余りの差をつけてトップで4区に繋げた事で、
ゆとりを持った展開になったのではないか。
駒沢大とは2分13秒差で、駒沢大としては誤算だったに違いない。5区の前に少しでも先に行きたい処だった。
でも箱根駅伝ではまだ何があるか判らない。4区の東洋大は1年生で駒沢大は3年生のエースクラスが走る。
ひょっとすれ…、と思って観ていたら、トップ効果か、東洋大は更に差をつけて5区に繋いだ。
こうなればトップを走る柏原選手がどんな走りをするか、ただそれだけに注目が集まった。
だが、流石と言うか集中していたと言うべきか、更に更に差を広げて東洋大往路優勝。
<復路>
復路は6区を終わり、区間賞を東洋大が取ったことで、東洋大の優勝の行方が見えた感じだった。
追う方としては6区で区間賞を取り、少しでもトップとの差を詰めて、プレッシャーを掛けたい展開に持ち込みたかったが、
逆に差を広げられてはお手上げだ。東洋大は益々良い方向になって、各選手が100%の走りをした。
今回のレースは往路の東洋大の記録が余りによかったので、復路に13チームが一斉スタートになったのも最近にない展開だった。
見た目の順位と実際の順位が違っていたのは、見る方でも、シード入りに目標を変えたチームにも、
タイム差が大いに気になるレースだった。
今回、東洋大の積極的な走りが目に付いたが、失敗しなかったから結果“OK”だったが、どのチームにも真似のできる事ではない。
後半大ブレーキを起こせば、3分のビハインドなどすぐ無くなってしまう。
来年はどんなレースになるのか、各チームはもうチーム作りが始まる。柏原選手も卒業し、第二第三の柏原選手が現れるだろうか。
結果: (K.K)
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