「文学横浜の会」
特集
「 箱 根 駅 伝 」
2019年の見どころ
ー2019年箱根駅伝出場大学ー
今回は、まずは青学大の5連覇!
実績と選手層から言ってその可能性は極めて高い、と言うのが大方の見方だ。
敗れるとすれば何処かの区間で大崩れするかして、他チームに隙を与えた時だ。観戦する側としてはその方が面白いのだが。
そして予選会を1位で通過した駒大を含めた上位争い、シード権争いにも注目!
今回の予選会で出場した駒大の12選手がいずれも1時間3分台のタイムでゴールした実績からみると、
山さえ上位で走りぬけば青学大でさえ安閑としてはいられまい。
何れにしても予選会上がりのチームとシードチームとの差はそれ程ないとみる。
どの区間も20キロを超える距離を走るわけだから、選手の体調が大きな要素となる。
つまりは試合当日に向け、体調管理を含めたチーム力の戦いだ。
<予想>
今回も区間毎に順位が入れ替わる事が予想される。特に3位以降の順位はゴールするまでは判らない、
と言う事になるのではないか。
例年のことだが山登りでは毎回順位が大きく動き、その差が大きくなってレース結果に直結する例が多くみられる。
特に有力校以外は山の結果がレース結果に直結する事も多い。
そこで各校とも山対策としてスペシャリストを発掘し起用するのだが、上手くいくチームと失敗するチームがある。
実績のある選手が残っていればいいのだが、それは毎年選手の入れ替えがある大学チーム。
実績があると言っても、必ずしもその選手の調子は今回も良いとはかぎらない。
まあ観戦者の視点では面白いが、監督は大変だろう。
毎回優勝チームを予想するのが面白いが、今回は上位、つまり3位以内に入るチームを予想し、
シード権争いに注目だ。
ここ数年は青学大を筆頭に、東洋大そして駒大の3校が学生駅伝の有力校とみなされているが、
果たしてそうした傾向がこれからも続くのか、大いに気になる年になりそうだ。
選手層から言って、青山大の強さは来年以降も変わらないと思えるが、東洋大、駒大が差をつけられてしまうのかが焦点だ。
嘗ての有力校、早大、中大、大東大、日体大、順天大、それに神大の順位、
それに新たな有力校が現れる兆しが見えるのか、大いに関心がある。
それと言うのも学生スポーツにおいては有力校の天下が永遠に続く事はあり得ないからだ。
必ず新たな有力校が出てくるものなのだ。
そうした中で駒大の監督解任の報道などがあり、部外者としても気になる報道だが、真相はどうあれ選手諸君には関係のない事。
箱根駅伝の人気もあってか、監督がスポーツとは関係ない番組にやたら登場するのも最近の傾向だ。
良くないとは言えないが、どうかな、とは思う。
・優勝に最も近いチーム
青山大
今年の出雲、大学駅伝に連勝し、距離の長い箱根でもやはり筆頭だろう。
欠点は何かと考えるのだが、ない。選手層の厚さ、レベルの高さ、山への実績、どれをとっても他大学を圧倒する。
体調管理に失敗するか、楽勝ムードで気のゆるみが生じて他校に隙を与えるか、ある区間で大崩れするか…。
まぁ、大学スポーツだからそういう事はままある。大学スポーツはその意外性が面白い。
それに青学大に限って言えば、新しい戦力の台頭が見られないのが淋しいし。
ただ高学年に有力な選手が数多くいるので、隠れて外からは見えないだけなのかもしれないが。
・対抗として
東海大、東洋大、駒大
3校ともに青学大に次ぐ選手層である事は確かだ。
ただ言えるのは、東海大は長い距離に実績がないと共に、有力な選手が今年実績を上げられないでいる事だ。
東洋大は有力な選手の数で青山大に劣り、それに昨年活躍した西山選手が今年元気がない。
箱根に間に合えばいいが、間に合わなければ上位は望めまい。
駒大は大エースがいないのが欠点だが、今回は監督解任劇が尾を引くかどうかだろう。
どのチームでも、往路で青山大に大きな差をつけて復路を迎えれば、レースは面白くなるのだが。
・上位を窺うのは
早大、順大、日体大を上げる。
3校とも箱根駅伝では実績がある。しかし今のチーム力を比べれば、青山大とは大きな差があるとみる。
早大は毎年有力な高校生を入部させているが、今年も実績のある高校生が加わった。
中谷、半沢、太田等の有力選手がどのような活躍をするか注目だが、長い距離の箱根で1年生に多くを期待するのは酷だ。
同じように有力な高校生として入部した高学年に期待したいのだが?
順大はエース塩尻選手の存在だ。予選会のような走りを2区で見せればチームは乗るだろう。
駒大は予選会のように全員が区間上位の走りを見せれば上位は間違いない。2区とか5区の重要区間賞でも取れば、
青山大も慌てるだろう。
・先ずはシード権
法大、城西大、中学大、拓大、帝京大、中学大
無論、ここに挙げた大学以外からシード権を獲得する可能性もある。
つまりはどの大学がシード権をとるのかは当日でなければ判らないと言うのが正直な感想だ。
優勝候補の大学でもシード落ちの可能性があるのが箱根の面白さだが、
シード権争いは最後までハラハラさせる展開になるのがここ数年のレースだ。
さて今年はどんなレースになるのだろう。番狂わせがあるのか、
どんな新しい新人が出てくるか、大いに期待したい。
<振り返って>
今回も大いに楽しんで観戦した。
結果的に予想は外れたが、青山大の力はまざまざと見せつけられた思いがする。
それでも優勝できなかったのは箱根駅伝の特殊性であり、面白さだ。
各区間が20キロ以上あり、1区間でもブレーキを起こせば致命的となるのがこの駅伝。
特に山登りではブレーキと言わないまでも失敗すれば、優勝を狙うチームとしてはかなりのハンディを負う事となり、
今回もと言うべきなのだろうが、5区の成績がもろに順位に影響した。
シード争いのチームも、山登りで一気に圏外から圏内へと、それも大きくタイム差をつけられる。
つまりは山登りに適性した選手を見き分け、その選手の調整を当日に当てはめるのが重要なのだ。
今回もそれをまざまざと印象づけた。
<往路>
スタートが上手くいったのは流れを2区までとすれば東洋大、中大、国士大だ。
3区までとみれば3区にエースを投入してトップにたった青学大も決してつまずいた訳ではない。
他の駅伝ではスタートが上手くいけば距離も短いこともあって、勢いに乗りやすいが、箱根ではそうはいかない。
20キロを超す区間ばかりだから、エース級を投入すれば2分や3分はひっくり返してしまう。
それが箱根の面白さなのだ。
見ている方では3区で青学大がトップにたった時点で、今回も予想通りに青学大が優勢だな、との予感が走った。
しかし箱根は何があるか分からないから、と見ていると、4区で東洋大のエースがトップにたち、
2位青学大を2分30秒程離した。結局この差は結果的に大きかった。
一方、4区では東海大も区間2位の走りで2分48秒差で2位に浮上したのも大きい。
5区では青学大がどんな走りをするかと観ていたが、選手の調子が今一つだったのか、
後続の選手にも抜かれて6位に後退したのは意外だった。記録も昨年より2分程悪く、
他大の選手がタイムをちじめる中で、往路優勝の東洋大との差が5分30秒と開いたのは大きかった。
普通ならこれで青学大の優勝は無くなったとみるのだが、復路の走りによっては箱根駅伝では過去にも大逆転劇もあり、
観戦する方では面白さは増した。ここまでは東洋大と青学大との攻防に気を取られていた。
しかし振り返れば5区の東海大選手の走りを忘れてはならない。
区間2位の走りで、トップ東洋大との差を1分14秒にちじめたのだ。結果的にこれが復路の逆転に大きく貢献した。
<復路>
復路では青学大の反撃がなるか。東洋大がこのままトップでゴールに飛び込めるのかが大きな焦点だった。
復路のスタート時点では前評判はいいものの、箱根では実績のない東海大の優勝は、
可能性はある、と言った程度のものだった。
スピードランナーとしては評価は高いが、20キロを超す箱根駅伝では、それだけでは勝てない。
一方、青学大の反撃は見るべきものがあった。6区から10区の5区間で、区間賞が3区間、2位が2区間、
と何れも区間上位で走り、東洋大を抜き、結果的に2位でゴールした。
もし、と言う事はあくまでも結果論だが、東海大が1区間でも失敗していたら大逆転しただろう。
逆に言えば、優勝した東海大はトップに立った強みを発揮して、実力を発揮できた、と言う一語に尽きる。
今回も大いに楽しませてもらった。
結果: (K.K)
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