「文学横浜の会」
新植林を読む
2023年 秋期号
「新植林71号」
「巻頭言」
先進七か国で、若い世代の自殺者による死因トップなのは日本だけ、との検索情報をもとに原因をあれこれ考察し、
日本の若者はは自死を悪いことではないと思っているのでは、と推測し、そして自死は大罪だと言う。
小説「名前のない馬」(三) 中野隆一郎
エリカに紹介されたサンフランシスコのホテルは予想以上に高かったが三日間泊まる事になる。
そうした差別的な体験を繰り返し、気分は重くなったが、地図でジャパンタウンをみつけ、そちらに向かう。
運よくそのアパートに決まる。アパートの住人、美術をしている吉岡、広沢、
庭園業をしていた老齢の田村さん等が同宿者だ。
吉岡君は自分のやりたいことを見つけたようだが、ぼくにはまだやりたいことがわからない。
随筆「アメリカン日本人」 むらやま たいぞう
とある中小企業で働いていた日本人が、仕事の関係でアメリカの市民権を取る話。
随筆「三者会談」 斎藤 剛
コロナ後に久しぶりに会った老齢三人の話。日本に帰国したKさんの訪米に合わせてカリフォルニアに住む私と、
Sさんが加わる、おしゃべり会のようなものか。Kさんは何年か前に奥さんに先立たれ、一人で暮らしは寂しいと言う。
短歌「柴犬愛ちゃん」 中條喜美子
15歳になる柴犬「愛」を詠った10首。愛ちゃんを観察する作者の目を感じます。
エッセイ「オレゴン州ポートランドへの旅・前編」 中條喜美子
題名の通り、息子家族との「オレゴン州ポートランドへの旅」の前編。
前半はオレゴン州のバンドビーチに着き、評判のレストランに入ったところで終わっている。
フィクション「シニア楽園 (第二章)」 柳田煕彦
第二章(一)となっている。
ノンフィクション「私見・環境と人間(十四)」 清水克子
「移植林」から「新植林」への経緯が書かれている。過去の「新植林」で目にした名前も散見されます。
小説「インディアン サマー(三十三)」 杉田廣海
最も信頼、信奉できる友人・山川さんの死に接して私は、別れの辛さを感じ、
ここでも米国市民権取得にまつわる一件が語られているが、米国在住の方には大事な事なのだろう。
「無事これ名馬」と言う言葉から夫婦の関係について思いを巡らせ、
そしてインディアンサマーを逃れて、夫婦でアリゾナの地に向かったことで終わっている。
文芸誌 in USA 新植林 <金田>
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