種  名 Gyrosigma obscurum (W. Smith) Griffith & Henfrey
 原 記 載 Griffith & Henfrey 1856
Syn. Pleurosigma obscurum W. Smith, 1852. Ann. Mag. Nat. Hist. Ser.29 p.8, pl.1, f.11.
 参考文献 Patrick & Reimer, 1966. Monographs Acad. Nat. Sci. Philadelphia 13. p.323, pl.24, f.7.
 特  徴  殻の大きさ 85-150×10-15
横条線 26-30/10μm
縦条線 40/10μm  LMでは識別しにくい。
 殻は線状で僅かにS字状,殻縁は平行で殻端は尖円形。中心域は小さく長円形。軸域は狭く,縦溝はS字状に大きく曲がって殻の先端付近では殻縁上を走る。極節は小さく直線的に先端に抜ける。
 類似の分類群としてKolbe(1948)はスエ−デンの湖沼からPleurosigma subsalsum Wislouch & Kolbe を記載していている。 Giffen(1963)は南アフリカからGyrosigma caffra Giffen を記載している。我が国では加藤ら(1977)が条線が斜行して見えるとして Pleurosigma obscurum の名で八郎潟から報告している。同じく,小林・安藤(1977)は森林公園内の溜池からPleurosigma obscurum を報告をしている。これら3分類群は後続異名の可能性が大きく検討を要する。
 Archibald(1983)は南アフリカからGyrosigma obscurum を報告しTEMの写真で斜行条線を提示しながら,より明瞭な横条線を特徴として取り上げGyrosigma属を支持している。今回はArchibaldの意見に従った。
 報告例は少ないが各地に産出するようである。筆者は菅生沼で多量に採取した。汽水種とされているが淡水にも広く産した。

 分  布 Type locality-----England, Poole Bay(?)
日本の産地-----森林公園沼(埼玉県:小林・安藤 1970),八郎潟(秋田県:加藤ら 1977),上庄川(1978・志垣ら),山中湖(山梨県:原口 1998),菅生沼(茨城県:原口 2000),筆者は小石川後楽園(東京都),伊佐沼(埼玉県),昭和沼(埼玉県),谷津・水田(千葉県),茂原・池沼(千葉県),,野尻湖(長野県),松川浦(福島県),湖山池(鳥取県)など各地の湖沼水田などの止水域から得ている。
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