種  名 Gyrosigma wormleyi (Sull.) Boyer
原 記 載 Boyer 1922. New and Rare spesies of Diatomaceen. p.7 fig. 2/10
Sterrenburg 1994. p.231. figs 22-28, 57-62.
参考文献 Syn. Gyrosigma parkerii (Harrison) Elmore, 1921.
    Neblaska Univ. Studies 21 p.22-214, pl.23.

Syn. Pleurosigma parkerii Harrison 1860
Syn. Gyrosigma distortum var. parkerii (Harrison) Cleve,
   1894. K. Svenska Vet. Akad. Handl. 26(2) p.116
Hustedt & Aleem, 1951. J. Marine Biol. Assoc. U. K. 30(1). p.188, f.2C.
Patrick & Reimer 1966. The diatoms of the U.S. vol.1.
特  徴  殻の大きさ 65-137×13-24
横条線 19-23/10μm
縦条線 22-27/10μm
 殻は中央部が広く,両端が急に細くなったS字形である。中心域は円形で,中心節は中心域に真っ直ぐに大きく入り込む。軸域及び縦溝は殻の中央をS字形に走り殻端で僅かに殻縁に近づく。極域は偏心してV字形に開く。 筆者は各地から殻長61μmの個体から157μmのものまで得ている。
 従来わが国の報告では、本種を G. distortum としているが、G. distortum についてはHustedt(1930, f.334)が提示した図が間違えていたことから混乱が生じたもので,その後Hustedt(1951,f.2C)は図を訂正し G. distortum として殻端の突出部の幅が広い個体を図示し,本種をG. parkerii としている。
 Patrick & Reimer (1966) はアメリカ産の個体について小型で淡水種であるとして G. wormleyi を支持し、 G. parkerii は淡水から汽水に適応する種として区別している。
 Sterrenburg (2005) はカメルーンやカリフォルニヤの沿岸の種について検討し G. wormleyi を広塩性適応種として G. parkerii を後続異名としている。ここでは Sterrenburg (1994) にしたがった。下記の分布は廣田ら(2013)を除いてはG. distortum または G. parkerii として報告されたものである。
分  布 Type locality-----England, Poole Bay(?)
日本の産地-----揖斐川(三重県:福島ら 1964),十三潟(青森県:水野 1964),霞ヶ浦(茨城県:水野 1964),佐渡西海岸溜池(新潟県;水野 1964),八郎潟(秋田県:市村ら 1965,加藤ら 1977),多々良沼・城沼(群馬県:小林ら 1968),高須賀沼(埼玉県:原口、三友 1968),青木湖(長野県:原口 1997),山中湖(山梨県:原口 1998),野尻湖(長野県:原口 1999),三方湖(福井県:濁川・長谷川 2000)菅生沼(茨城県:原口 2000)余呉湖(滋賀県:原口 2001).湖山池(鳥取県:廣田ら 2013),など日本各地の淡水から汽水に普通に産する。
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