種  名 Gyrosigma kuetzingii (Grunow) Cleve
 原 記 載 Gyrosigma kuetzingii (Grunow) Cleve 1894. K. Svenska Vet. Akad. Handl. 26(2) p.115.
 参考文献 Sterrenburg 1997. p.158. f.1-9.
 特  徴  殻の大きさ 110-150×13-15
      Cleve(1894)は殻長に220μmを与えている
横条線 19-20/10μm 中心付近ではやや太く放射状
縦条線 23-26/10μm
 殻はS字状皮針形で殻端に向かって少しずつ細くなり先端は尖円形である。軸域及び縦溝は殻面の中央を通り僅かに波打つ。中心域は小さく楕円形。中心節は互いに逆向きにかぎ状に曲がる。極域はV字形で僅かに偏心する。
本種はこれまで G. spenceri の後続異名とされてきた。しかし Sterrenburg (1995) は G. spenceri のタイプ標本は縦条線が横条線と同じ密度かやや細かい程度であり,これまで G. spenceri とされてきたものとは異なることを明らかにした。そして G. spenceri G. acuminatumの後続異名とした。従って本種の正しい名称はG. kuetzingii ということになる。
 各地に普通に産し分布は広範囲にわたっているが,殻形及び大きさにおいて G. acuminatum var. gallicum に酷似していて,相違点は縦条線の細かさのみである点から誤同定による産地の混同が考えられる。淡水種。
 分  布 Type locality-----U.S.A., New York, Croton River (?)
日本の産地-----(G. spenseri としての報告を含む)青木湖(長野県:Hustedt 1927),木崎湖(長野県:Skvortzow 1936),琵琶湖(滋賀県:Skvortzow,1936),池田湖(鹿児島県:Skvortzow 1937),新河岸川(埼玉県:福島 1950),兼六園(石川県:酒本 1967),五十鈴川(三重県:岩城 1968),多々良沼(群馬県:Kobayasi 1968),,山中湖(山梨県:原口 1998),野尻湖(長野県:原口 1999),菅生沼(茨城県:原口 2000),余呉湖(滋賀県:原口 2001),斐伊川(島根県:Ohtsuka 2002),狭山池(大阪府:Tsugeki et al. 2006)など日本各地に普通に産する。
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