1208年 (承元二年 戊辰)
 
 

1月6日 丙子 陰、雪時々飛ぶ。
  午の刻大地震。
 

1月11日 辛巳 晴
  御所の心経会なり。去る八日式日たりと雖も、将軍家の御歓楽に依って延び今日に及
  ぶ。その後尼御台所鶴岡宮に御参り。御車を用いらる。
 

1月16日 丙戌
  午の刻、問註所入道が名越の家焼亡す。而るに彼の家の後面の山際に於いて文庫を構
  え、将軍家の御文籍・雑務の文書並びに散位倫兼の日記已下累代の文書等を納め置く
  の処、悉く以て灰燼と為る。善信これを聞き、愁歎の余り落涙数行し、心神憫然たり。
  仍って人これを訪うと。