土生重次の遺品
このところ色々と家の中の整理をしているのだが、
なんやかやと土生先生からの頂き物が結構出てくるのである
そんなこんなをこれも土生先生の人となりの一端でもあろうかと、
今までご紹介するのをサボっていたものを含めぼちぼちとUPしてみたい
なお、もう数点所蔵する「遺墨」についてはこの頁ではなく遺墨の頁でとしたい
平成16年9月

この頁の一番下に足袋を加えました平成17年3月


ペリカン スーベレーン800

ペリカンのペンケース
亡くなる10ヶ月ほど前に長崎から上京した折にお見舞いに伺った際に
ほとんど声にならないことばで、奥様になにやら「あれ」というような
ことをおっしゃって取ってこさせ、下さったのがこれである
もちろん、ケースだけではなく、ペリカンのスーべレーン(極太)
が一本入っていた(2本入りのケースですが萬年筆1本でした・・いえ
それが不満ではございませんで、ボールペンは余り好きでないので
それだけの方がよかったのです)
重次がご自身でもお使いになっていたものであるので、そのまま取っておけばという
考えもありましょうがやはり、手元の置いて日常的に使うのが一番ではとの思いがあり
一時、赤インクをいれて、句会での添削などで使ってもいた
しかし、極太であるが故になんとも使い心地が悪いこともあったので
青インクに入れ替えて、普段に句作のために使いはじめたのだがどうも
私にとってあまり書き味がよそしくない
ということで、思い切ってペン先を研ぎに出して2ヶ月
ようやくに戻ってきた(04/11/08)
書き味の程は、誠に微妙・・変わったようなそうでないようなながら、向上
この手の萬年筆は使い込んでなじませるというのがよろしいのだろうが、
重次が手渡してくれたのも使うことを期待していたのだと考えれば
自分の手になじむように手を入れてよろしいのではと思ってのこと
ピストンも以前に修繕に出していて結構メンテナンスに手間をとられるが
PCとは違った使い手にとっての味わい、遊び心がある
その遊び心をを合わせて重次から賜ったというのもありがたいことである
ところで、修理屋のいうにはこのペンは随分と以前のモデルということで
「今はこの手の(重厚な)作りのものは無いのです」と言われ、重次の愛着の
ほどがよけいに感じられたのである
いずれにせよ、私にとっても一生の愛用品となるものである



システム手帳
これはどういうことで頂いたのか、なにか句会の後に手渡された
という記憶しかない、bindexの10字×15行の俳句には不向きの
原稿用紙をつけて下さったことは覚えているのだが
どういうわけか、大概の売り場でこの原稿用紙は置いていないのは
やはり、需要が極端に少ないせいであろう


備前 ぐい呑み(一個)


箱はあるのだが作家名が読めない、備前火襷のぐい呑みである
「掌の美」という美術品エッセイの本と一緒に頂いた
重次師は、総じて人に物をくれるのが好きだったのでは無かろうか
あるいは、貰った方が喜ぶのを見るのが好きだったのだろうか



中国土産とかで頂いた硯、自然石風の石に彫刻があり、一つ見える眼を
鳳凰のような鳥が咥えている図である
石はいくらか赤みを帯びたものである
応接間の硯箱に納めて来賓録用に使っている


柄物の足袋
こんなものまで頂いていたのですね、利孟さんは着物好きだからといって
わざわざ見立ててくださったのですが、すっかり忘れておりました
粋がって、柄足袋を一時穿いていたのを目敏く見つけられてのことでしたが、
いまや、殆ど白足袋になってしまい、懐かしんでいるというところです
平成17年3月

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