本覚寺・妙本寺・宝戒寺・頼朝墓所・杉本観音寺 報国寺・釈迦堂の切通・安国論寺・逗子マリーナ 小山同人のご案内で |
東人 鎌倉や大町小町花馬酔木 山茱萸の花を帷に石の庭 椨の木の墓より朽ちし春二番 鎌倉の山高からず冴返る 内 人 春愁や波頭の小走り由比が浜 鴬の遠くに聞こゆ仁王門 北条の苔むす碑ありぼけの花 こぞり咲く海棠すぎて頼朝墓 玄髪 春園に香のかおりと琴の音 梅の香に誘われ出ずる小旅行 大幹の樹肌にやさし春日かな 寺めぐり合わす手の甲春寒し 外人 わかめ干す縄の向こうの青い海 切り通し越えて感じる春の声 寒空にひよ鳥の声裏の山 春の昼薄日の中の沈丁花 浄 将軍の遺徳を守る椨の幹 母と子の縁廻せし風車 硝子戸に薄日差し込む花山茱萸 寒風に白旗搖れる石階段 |
白美 沈丁花手折るは難しと声ひそめ 足利の墓石欠けて花山茱萸 本堂はいずれの道か木瓜の花 沈丁花たばねて獄舎の夫見舞う 京子 とつくにの雲水過ぎゆく梅の寺 卒業の吾子に香を添う沈丁花 亡き人を訪う寺に杉の花 小体なる茅の御堂に木瓜の花 見えかくれさがり藤抱く青葉かな 岩屏風引き廻しおり山茱萸の木 谷津の洞詣でて過ぎる春時雨 大和 山門の茅を間近に登山道 家並の黒い瓦に白き梅 切り通し壁越しにみる椿の木 いにしえの礎石のそばにボケの花 利孟 赤青と帆走る浜に若布刈る 観音堂顔拭いたる初蛙 子と遊べ谷埋めたる風車 辻子の寺山茱萸天を被いたり |