原宿句会10月例会点盛り
東人 <8>
亜麻色に三五の月のなほ高く 正◎
色鳥や遠つあふみは湖の国 美○正
磴多き旧街道や走り蕎麦
菊日和人事案件なほ揉んで
十月や湖の没日を登きより
美穂子 <22>
講釈の間も新蕎麦を打ちにけり 宗◎笹◎希◎
十月や指遊ばせる旅の本 宗箏点白希
碑に村の哀史や秋夕暮れ 宗笹○希○
色鳥の色追ひかけて日照り雨 宗○
くねるたび水音の増え秋の峡
<11>
新蕎麦の噛んで程良き固さかな 宗笹白◎
ゆるやかに一人墨磨る夜長かな 白○
仰ぎ見る十月の空広きかな 宗白
葛かかる吊橋過ぎて水迅し
色鳥や彩鮮やかな胡姫の服
白美 <10>
十六夜や印紙の褪せし契約書 宗笹希美
色鳥や頬に紅差す泥人形 美○正
十月や真贋知れぬ二つの絵 宗箏○
街並の屋根の輝き秋の空
新蕎麦や分けて入りたる藍暖簾
希覯子 <8>
新蕎麦や手斧削りの太柱 宗○箏美
十月や八尾は風と坂の町
色鳥や寺の演技に誤字一つ
飾り棚にもろもろの猪口走り蕎麦
色鳥や勝手知りたる振舞で
箏円 <7>
新蕎麦や着流し客の江戸ことば 笹希正
十月の空母の言ふありがたう 宗美点
色鳥を染め残したり結う茜
江戸友禅秋時雨染む志ん朝忌
鬼蔦の紋の色濃く秋時雨
翠月 <3>
腰弱き新蕎麦頬を通りけり 宗箏
十月の湧き水強く砂を蹴る
流れ星子らはそれぞれ夢を持ち
六年の思ひの籠もる月下美人
色鳥の瀬にさえずりや水早し