原宿句会4月例会点盛り
白美
唐といふ國の匂ひや白牡丹 利○笹◎
名も知らぬ人と対座の花見酒 利正◎
都踊り目で追ひかける贔屓の妓
肩先にとまりて枝垂桜かな 筝希
眼薬を差してひらけし仔猫の目

千恵子
夕明り被て冷えてゐる桜かな 利◎室筝白正
先に炎の萌しをみせて牡丹の芽 利希○
紅の口都をどりの声揃ふ 利笹
地に置けば一声鳴きて仔猫かな 白○
子を抱くマリア伏目や鳥雲に

希覯子
犬が来て人の現はる朧かな 利○室宮正○
花冷えや夕刊記事は斜め読み 利宮◎
鰹節つけて猫の子貰はるる 利白
芽牡丹や大輪秘せる気配なし 利宮
学友会都踊りにことよせて

美穂子
子猫抱く少女はすでに母の貌 利◎笹○白◎
耳奥に巣くうものあり春の風邪 利◎白
緋牡丹を篝火にして夜の苑
都をどり揃ひて噤む紅の唇
潤みがちなる姫鏡台花の夜

利孟
撫でられるばかりの箱の捨て仔猫 室◎宮○
猫除けの効無きボトル牡丹の芽 筝○
肩上げをおろして都をどりかな
役済みの終着ホーム花の川
長き髪束ねて受ける花見酒

翠月
糸巻きに戯れる子猫の左利き 筝◎希◎
白牡丹染めほのぼのの夕早し
都踊派手さ早さに淑やかさ
電線の番の鳴きや初燕
城壁に縋り付く花冷に耐へ

カレー屋に都をどりの出番表 利室
虫出しの雷や戦始まりぬ 利宮
恋知らぬをんな子猫を愛しめる
大老の眠る古刹や富貴草
糠雨の枝垂桜を六義園

武甲
紅を引き都踊りの人となる 利◎希
緋牡丹や板東武者の恋女房
未熟さを無邪気で騙す子猫かな
花の雨パステルカラーに街染めて
花冷や選挙の近き商店街
和博
花簪都踊りに揺れ揃ふ
風荒れし裁きの庭に牡丹の芽
乳浸す小指を母と捨子猫
山笑ふ眉を常磐木描きにけり
啓蟄に明るき色の靴探す

筝円
花冷えに透き通りたる花片かな
都踊り歌舞練場の夜灯り
おとなの歯揃はぬ笑みで子猫抱く
白牡丹隙を見せずに生きぬけり
花の上寝座へと急ぐ鳥の群